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「ねぇねぇ、荒北先輩ってカッコ良くない?」
「分かる!サイクルタイムのインタビュー良かったよね!更生したって話!」
インターハイのメンバーが確実となった荒北さん。
王者箱根学園は取材に引っ張りだこ。
A「はぁ…。」
荒北「あぁ?んだよ、俺の顔見てため息つくなんてよぉ!」
大きな口を開けて菓子パンを頬張る荒北さん。
自分の真後ろで自分の話をされているのに全く気にしていない。
A「もう、ついてますよ。全く子供じゃないんだから。」
荒北さんの口のはしについてるパンをとる。
ちなみにいつもは放っておいてもそのうち気づくだろうとスルーしていた。
「え、やっぱAさんと付き合ってるのかな?」
「仲良いよねあの二人。」
荒北「な!何だよ急に!!いつも言わねえくせによぉ!」
A「牽制です。」
荒北「はぁ?」
全く分かってなさそうな鈍感男。
いや、そこは匂いで分かろうよ。なんて思ったところで仕方がない。
A「ベプシ買ってきてください。」
荒北「あぁ?俺のやるよ。」
自分の飲みかけを渡してくる。
A「…。」
荒北「露骨に嫌そうな顔すんな!」
A「だってパンくず入ってそうですし。」
荒北「入ってねぇよ!!!ったく、これだからワガママちゃんは困んぜ!」
ブツブツ言いながらも結局自販機に向かって行く荒北さん。
「あのー、Aさんって荒北先輩と付き合ってるんですか?」
荒北さんがいなくなった瞬間後ろの女子が話しかけてきた。
A「はい。始業式の日から付き合ってます。」
残念そうにする彼女達。
荒北「ん〜。」
A「きゃ!」
私の頬に冷たい缶のベプシを当ててくる。
荒北「かーいー反応してんじゃねぇよ!おら、とっとと飲め。」
A「ありがとうございます。」
自分では気づいてないが荒北さんはモテる。
気づいてないというより興味がないのかもしれないが荒北さんが思ってる以上に荒北さんはモテるのだ。
もうすぐインターハイ。
更にモテるんじゃないかと心配していた。
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作者名:るる | 作成日時:2021年9月27日 23時