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東堂尽八視点
A「待ちましたか？」
東堂「いや、すまんな呼び出して。」
月曜日の昼休み。俺はAを屋上に呼び出した。
A「いえ、私も尽八さんとはお話しなければと思っていたので…。」
いつもの無表情とは変わらないが心なしか晴れやかにも見えるその表情を見てもっと早くこうしていればとも思った。
東堂「お互いのメンツがあるだろう。言おうとしてることはどちらも同じだろう。A、君から言ってくれ。」
A「…。」
深々と頭を下げるA。
A「噂がもう耳に入っているでしょうが私には他に好きな人が出来ました。私をまっすぐ見てくれる人です。」
東堂「そうか。」
荒北の事だろう。
あいつは俺以上にAと付き合いが短いはずなのにAの事を分かってた。
色々見てくれていたんだろう。
東堂「A、歩み寄らなくてすまなかった。親が決めたから決まったものだと…Aの事をもっと知ろうとすべきでした。」
A「それは…私も同じです。でも私は尽八さんが好きでした。葛西さんをみて悲しかった…。それくらいに貴方が好きでした。葛西さんを見つめるその眼差しが私に向くことがないと分かっているのに…。それでも意地になって貴方と結婚することしか考えなかった…。」
東堂「…俺は逃げてばかりだったな。本当にすまない。これからは友として俺と仲良くしてくれるか。荒北の事、相談に乗るぞ。あいつは野獣だからな。」
A「な！？///」
顔を赤くさせ照れている。
こんな表情も出来たのか。
A「後すみません、誤解させたままだと思いここに呼んでおきました。」
Aは屋上のドアを開けるとあかりが出てくる。
あかり「あの…聞き耳たてたみたいで…。ごめんなさい。」
東堂「あかり…。」
A「後はお二人で。」
屋上を後にするA。
あかりと二人きりになった。
俺の思い、気持ちをあかりに伝えよう。
彼女はきっと受け入れてくれる。
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作者名：るる | 作成日時：2021年9月27日 23時
