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荒北靖友視点
俺がシャワーから出ると何とAちゃんは俺の布団で寝ていた。
荒北「頼むからちょっとは危機感持ってくれよぉ…。」
普通あんなキスしてきた男の部屋で爆睡しない。
それとも俺を受け入れてるのか…。
人差し指でそっと唇に触れる。
さて、どうすっかぁ…。
健全な男子高校生でこの状況に耐えられるやつがいるとは考えにくい。
午後の授業も残っているがもう出ても間に合わないだろう。
荒北「…ん?」
整った寝息をたてていると思ったが少し息づかいが荒い。
おでこに触れてみるとやはり熱があった。
とりあえずAちゃんに布団をかけて濡らしたタオルをおでこに置いた。
俺のせいだ。
あんな大雨の中所構わず本能に任せてあんなことをしてしまった。
苦しそうな表情をしている。
荒北「その苦しさ俺が貰えたらなぁ…。」
わりぃAちゃん。
Aちゃんの熱い頬に触れてもう一度キスをする。
A「んん…。」
好きだ。
この感情。
弱みにつけこんであんなことしたくなかった。
弱ってるんだから受け入れて当たり前だ。
荒北「俺の事好きになればなぁ…。」
Aちゃんの頭を撫でる。
俺の事を好きになれば苦しまずにすむんじゃないのか?
東堂の事を好きで、仮に自分に思いがない東堂と結婚して幸せになれるのか?
東堂と葛西が一緒にいるところを見て平常心を保てないのにこれ以上はもっと苦しいんじゃねーかよ…。
荒北「…っし。行くかぁ。」
外を見るとまだ雨が降っていたがAちゃんの頭にいつまでも濡れたタオルを置いておくわけにもいかない。
少し遠いが薬局があったのを思いだしそこに向かった。
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作者名:るる | 作成日時:2021年9月27日 23時