学年1のモテ男に告白されると思ったら勘違いでした

25話 ページ25

引き続き影山視点


Aさんとカレーを交換する事になり失敗はできない状況になった。


Aさんにまずい物を食わせるわけには行かない。


影山「なぁ、野菜の皮ってどうやってむくんだ？」


とりあえず同じ班の女子に聞いて慎重に野菜を切ったりする。



「あー！影山君指危ない！！！」

「影山君！ちょっと一口サイズ大きすぎかな！？」


一口サイズなんて言われても自分の一口サイズと他の人の一口サイズは違うだろうし難しい。


野菜と一緒に自分の指も切りそうになるし合宿の時のAさんは手際もよくてすごかったんだなと思わされる。


影山「…。」


「ちょっとルーが水っぽいけど大丈夫。味は薄くなってないし！」


俺の作ったカレーは最後に水の分量を間違えてカレーのルーが足りなくなったからカレー粉をぶっかけたびしゃびしゃのカレーになった。


(こんなのAさんに食わせられないな。)


班の奴は正直どうでもいいとしてAさんにはおいしそうなカレーを食べてもらいたい。


A「あ、影山君の班ももうできたの？」


タイミング悪くAさんは自分のよそったカレーを持ってきて俺の方に来た。


影山「わりぃ失敗しちまったから…。」


Aさんは黙って俺の作ったカレーを見つめる。

均等に切られた野菜たち、ルーの固さも多分ほどよい。


A「私もここで食べていいかな？先生に怒られなきゃ大丈夫かな。」


Aさんは俺の班のテーブルに座る。


A「温玉もって来ちゃった。」


自分のカレーに温玉を乗せるとAさんはそれを俺に渡した。


A「影山君の大好物でしょ？うちの班たまたまポークカレーだったの。合宿の時は影山君の好きなカレーじゃなかったし食べてほしいな。それに私影山君の初めて作った料理食べたいし。ダメかな？」


影山「でもそっちの方がうまそうだし…。」


A「影山君がカレー作り頑張ってたのって私のためじゃないの？ちょっと自意識過剰だったかな…？」


影山「いや！Aさんにうまい料理食わせたくて…。」


A「それだけで十分私は嬉しいし食べたいよ。」


俺の返事も聞かずにAさんは俺のカレーを奪って食べる。


A「うーんおいしい！こういう感じのルーのカレーも好きなんだよね！」


Aさんはおいしそうにカレーを食べてくれた。


A「ほら、影山君も食べる？ホントに美味しいよ？」


Aさんに抱いてるこの気持ちが俺にはなんなのかいまだにわからない。

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