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病室の前で大きく深呼吸した
何から話そう。話す前にまたあの妹に追い出されるかもしれない
だけどもう、あんな恐ろしい後悔はしたくない
あんなにも傷付けて、苦しめたのに…
それでも彼女だけはもう、二度と失いたくはないから
取り戻したい、あの笑顔を…
ノックする
そっとドアを空けると、カーテンがゆらりと揺れるのが目に入る
傍まで行くと、
日の光を浴びて、まるでお伽話のように眠る綺麗な顔
その寝顔だけで、もう泣きそうになる
馬鹿みたいに…
さらに近づくと、そっと彼女の瞳が開く
DH「あ…」
「…」
DH「起こした…悪い…」
「…いえ…」
DH「…あの、俺…」
「…どなたですか?」
.
.
.
DH「・・・え?」
.
.
.
一種の記憶障害…
そんなことが本当にあるのかと、何度も何度も医師に問いただした
これが嘘だと、そう言ってもらいたくて
.
.
.
「どなたかの、お見舞いに…?」
DH「…ええ」
「そうなんですね…私の部屋には妹が来てくれるんです」
DH「そう、ですか…優しい妹さんですね」
「ええ、そうなんです。とてもいい子で…」
DH「そっか…」
「…大切な人?」
DH「…え?」
「入院してるのは、大切な人なの…?」
DH「…」
「とても、辛そうな顔をされてるから…あの…ごめんなさい」
DH「いえ…」
「…早くその方も良くなるといいですね…」
DH「…大切なんです」
「…え?」
DH「とても、大切なんです」
「…そうですか…その方は幸せね…そんな風に言ってもらえて」
DH「…そう、かな…」
「ええ、きっと幸せだと思う」
日の光に照らされるその笑顔は、俺が見たかった笑顔で…
「お名前は?」
DH「…ドンへ…イ・ドンへ…」
「ドンへさん…」
俺が好きだったはずの、あの温かい笑顔
君はどうか笑っていて
どうかその笑顔のままでいて
あの時みたいに、泣かなくていい
思い出して泣かなくていい
忘れてしまえばいい
君が俺より覚えていないことを、
俺よりも大丈夫なことを願うから
こんな痛みは、もう俺だけでいい
俺だけが、覚えていればいい
それさえも俺には思い出だから
どうか、この痛みは消えないで…
…to be continued?
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ルル(プロフ) - りんさん» だんだんと見られなくなってきた組み合わせなので、書いてて私も楽しいです^^コメント、ありがとうございます! (2017年5月24日 2時) (レス) id: ac42bfaff2 (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - ここで2Uうれしいです。しかも母子にも、ジェジュン、ちゃみ最高あとは、パパと次男も、ユンジェミンも、欲張りになりますね(≧∀≦) (2017年5月23日 21時) (レス) id: 81ec167096 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルル | 作成日時:2015年8月15日 0時