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「は？」
訳が分からないから問い返してみれば、彼は窓の外を見ていた
「自分でも分かんねえんだよ」
「何が…」
「あれから他の女と付き合ってみたけどよ」
あれからっていうのは…
「結局いつも最後に相手に言われんだよ。誰と比べてるんだ？って」
いつのことを言ってる…？
「そうやって言われる度にさ、夜中に呼び出したくなる」
誰を…？
「連れ出して、車ん中でバカみたいに歌いたくなんだよ」
誰と…？
「そんで旨い飯でも酒でも、食いたくなる」
ねえヒチョル…
「何回消そうって思ってんのに、結局笑ってる顔が見たくなんだよ」
誰のこと言ってるの…？
「俺はこんなんなのによ…」
「おまえはいつになったら俺の女になってくれんだよ…」
え…
そのまま私の方を見ずに、ハンドルに突っ伏す彼…
「なんてな、バカか」なんて言って笑いそうだと待ってみても、少し見える彼の耳が珍しく赤く染まってるのを見て、そんなことが起きないということを理解する
理解するのに…
何も言えなくて…
彼がゆっくりと私の方を見て、驚いた表情をしているのがぼやけた視界に映った
「なんで泣くんだよ…」
ヒチョルこそ、なんでそんなに切なそうな顔するのよ…
静かな車内に私の不規則な呼吸だけが聞こえる
あなたが迎えに来ても、地味な格好で出て行くのは、油断してひょっこりと摘んだはずのその場所に気持ちが生まれてしまいそうだから
なのに携帯を毎晩枕元に置いて眠るのは、あなたの着信を待ってるから
あなたがバカみたいに歌っても「うるさい」なんて言っちゃうのは、巻き込まれちゃいそうで恐いから
なのについ笑ってしまうのは、私の隣で…笑ってくれるから…
気付いてほしくて、
でも気付いて欲しくなくて…
でもやっぱり気付いて欲しくて…
結局自分だけ守ってる臆病な私を、
あなたはあれからもずっと見ててくれたの…？
「ヒチョル…」
私の涙を拭おうと手を伸ばした彼の手がビクッと震えて元に戻る
彼の大きな瞳が、次の私の言葉でもっと大きくなった
「好き…」
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ルル(プロフ) - SK ジンニムさん» 読んでいただいてありがとうございます！他のお話もキュンキュンしてもらえるように頑張りますね＾＾ (2019年8月27日 23時) (
レス) id: 84ad280061 (このIDを非表示/違反報告)
SK ジンニム(プロフ) - こんにちは！リョウクのお話…めちゃくちゃキュンキュンしました…最高です！他の作品も頑張ってください！ (2019年8月27日 1時) (レス) id: 4e5b2c9bbf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルル
| 作成日時：2015年8月13日 3時
