聞いちゃダメ ページ31
可愛い弟のお願いだし、
焼き肉くらいならまたいつでも食べさせてあげようと、そう思ってたのに…
TM「本当？一位取ったら、デートしてくれますか？」
「…へ？」
TM「デート…ダメ？」
「だ、だめっていうか…；」
TM「ダメじゃない？」
「え、あの；…デート？え？私と？」
TM「他に誰がいるの(笑) 今、Aヌナしかいないじゃん(笑)」
「えっと…；なんで？」
なんで、なんて…聞いていいの…？
"あんただって気付いてるでしょ？テミン"
頭の中で響いたのは、オンニに今日言われたばかりのその言葉…
待って待って、いや、あれだって、
"オンニ…その冗談、テミンにも申し訳ないから"
そう言ったのは私で…
気付き始めた頭が、やっぱり理由なんか聞いたらいけない、と働いたのはもう遅くて、
握られた手が、テミンの顔の前まで持ってかれる
唇が触れそうなその距離に、
もうあと１cmでも動いたらテミンの綺麗な唇に、
私の手が触れそうなその距離に、
驚いたままの私に…
TM「言ってもいいの？」
なんて、いつもの可愛い笑顔？そんなんじゃない…
テミンの吐息が指先にかかる
可愛いのに、可愛いはずなのに、
可愛い男の子だと思ってたのに、
"若くても男は男でしょうが"
TM「ダメ？」
すぐにいつもの甘えた声に戻る
「え、あ…」
TM「ヌナとお茶して、買い物も行きたいな〜！服選ぶの手伝ってくれない？」
「お、お茶？」
TM「うん、ダメかな？」
お茶、って言葉に安心して…
TM「だめ、かな…」
悲しそうなその顔に少し焦って…
「あ、い、いいよ…？」
なんて、返事してしまって、
いや、デートってそういうのじゃなくって、きっとただの買い物で…
TM「本当？嬉しい！じゃあ僕帰るね！」
「え？あ、うん；」
TM「後でやっぱりナシ！とかナシね！」
なんてニッコリ笑われてしまって、
TM「絶対一位取るから〜」
入ってきた時とは違う、余裕の笑顔で去って行ったテミン…
テミンって、あんな子だったっけ……？
とまで思うくらい、ドアが閉まったら急に力が抜けて、
急に顔がかあっと熱くなる
うわ、ダメだ…
こんなの、最近なかったから…
テミンが？本当に？いや、そんなはず…
その夜何度か思い返してみて、ちょっと照れくさいまま、ベッドに入った
相変わらず着信は無い
"ヒョクも心配してるよ？きっと"
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作者名：ルル
| 作成日時：2015年8月13日 2時
