変なんだ DH ページ29
俺と、ヒョクと、シウォンとA…四人はいつも一緒だった
この四人でいる時の空気感がすごく好きだったし、
俺なりに、仲のいい彼女のことも結構理解してるつもりだったんだ
Aみたいに俺を理解してくれる友だちはなかなかいないし、
俺の知らないAなんてないと思ってたくらいだった
よく笑って、
よく怒って、
頑張り屋で優しいAを、
ずっと近くで見てた
俺が一番分かってると思ってた
そう、ばかみたいだけどさ、俺の知らないAなんてないと思ってたくらいだったんだよ
だから、Aがヒョクのことを好きだと分かった時、ガクっと夢から覚めた気分だった
あ、そうなんだ…って
だから、泣いてるとこなんか見せたことのないAを、シウォンが慰めていたのを見た時、悔しかった
なんで、俺は知らなかったんだ…って
それで今日、また一つ違う顔を見た
落ち着いて、優しく、弟たちが憧れるようなヌナの一面
距離を縮めて、懐く弟たち
そんなA、知らなかったんだ…
でも、そんなのは当たり前なのかもしれない…
俺はヒョクでも、シウォンでも、テミンでもないから
そんなこと、当たり前だって分かってるのに、心にかかってるもやもやを拭えない
Aは俺の親友なのにって…
俺が一番知ってたいのにって…
それで今も、ぼんやり思った
今までAと付き合った男は、
あの日の朝食のように、
俺の知らないAの顔を、もっと知ってるんだろうなって…
それこそ、恋人と友だちの違いで、
それこそ当たり前のことなのに、
それが当たり前なのが、
なんだか嫌だった
俺の知らないAを、誰かが見てるのは、なんだか嫌だった
どうして今更になってこんなことを思うんだろう…
会えて嬉しかったはずなんだ
久しぶりにAの傍にいれて嬉しいと思ったんだ
疲れていたように見えたけど、それでも頑張ってるAに元気をもらったんだ
なのに、今はなんだか変に切ないような、もうAに会いたいと思ってる
俺ってこんなに我が儘だったかな
変なんだ
なんだかすごく変なんだよ…
あー…
またしばらく、Aに会えないんだな…
203人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ルル | 作成日時:2015年8月13日 2時