それだけでいいのに… ページ33
シャワーを浴びて、時計を見ればもういい時間…
髪を乾かしてる間も、瞼が重い
ああ、さすがに眠いな…明日の予定…
確認しようと、スマホの画面を見ると…
「なに…」
ヒョクからの、メッセージが届いていた
え、ついさっきだ…
一気に眠気が覚める
恐る恐る開くと、
『もう寝てる?』
その一言だけで…
えっと、えっと…どうしよう…
シウォナも寝てるし…起こせない…
「…」
とりあえず、
『今寝ようかなってとこ』
と、私も一言だけ返しておいた
「!!」
急に鳴りだすスマホに、慌てて通話ボタンを押した
「も、もしもし…」
あ、え、見なかったけど…これってヒョクだよね…え…
再び画面を見ようと少しスマホを離した所で、
EH『あ、もしもし俺だけど…』
って声がして、慌ててもう一度耳に押し当てる
やだ、なんでこんなにドキドキしてるのよ…
さっき、電話したばっかじゃない
「どしたの?なんかあった?」
EH「や、なんかっていうか…俺じゃなくて…」
「?」
なんだか電話の向こうで、あー、とか、んー、とか唸ってるヒョク
なんか落ち着いてきちゃった;
「もう、どうし…」
EH「なんかあった?大丈夫?」
え…?
「なに、が?」
再び騒がしくなる私の鼓動
EH「や…さっき電話した時、おまえ…なんかいつもと違った気がしたから…電話だって珍しいし…なんかあったらと思って、さ…」
なんで…
「えっと…」
EH「気のせいだったらいいんだけど、気になったらなんか眠れなくて…」
なんで、気付いちゃうの?
「うん、なんかあった…」
EH「え?」
どうせなら、気付かないでいてくれればいいのに…
彼女のことだけ、見てくれればいいのに…
「…私、ちゃんとお店を始めようかと…」
EH「え?」
私の変化なんて、分からなくていいのに…
ぐっすり寝ちゃえばいいのに…
「夢にね、一歩近づけたみたい…オンニがそうしなさいって」
EH「え、まじ?すごいじゃん!え、Aがデザインしたのがちゃんと商品になるんだろ!?」
気付かないあなたに、
ひどいんだから(笑)って言ってからかうだけでいいのに…
「うん、だから…報告したくて…」
EH「なんだよ!言ってくれれば俺…」
「ヒョクに…」
どうして気付いちゃうかな…
EH「え?」
「ヒョクに一番最初に報告したかったんだ」
EH「え…」
どうして優しくするのかな…
EH「A?」
176人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ルル | 作成日時:2015年8月13日 1時