いつだって ページ39
SW「そろそろ戻ろうか、ドンへたちも心配するし」
「うん…そうだね」
温かい温もりがすっと去って行く
SW「A…」
「ん?」
SW「Aが気持ちを消そうと頑張ってるのは分かる…けど、僕は無理に消そうとしなくていいと思うよ…人の気持ちは自由なんだから…」
「…うん」
SW「Aがヒョクチェに気持ちを伝えたいならそうしたって良いと思う。僕は止めないよ」
「それは…」
SW「ただヒョクチェにはジミンがいる…」
「…」
SW「ひどいことを言うようだけど、やっぱりそれは事実だし、また今日みたいな事があるかもしれない」
「そうだね…」
ふっとシウォンが笑って、私の頭に大きな手が乗っかる
SW「けど忘れないで。そこにはいつもの僕達だっているんだ。いつものヒョクチェも、ドンへも、そして僕も…それは一緒に覚えていてくれるかい?違うように見えたって、僕達がAと過ごして来た時間や思い出は変わらないんだから…きっといつもの僕らがどこかでAをちゃんと見ているよ」
「いつも…」
SW「うん、だから、AだっていつものAでかまわないと思うよ?無理して笑う事も、気を使う必要だってないんじゃないかな?大丈夫だよ…僕らがついてるから」
「シウォナ……」
最後にポンっと頭に手を置いて、「帰ろう」と言ったシウォンに続いて席を立つ
「あ、荷物持つ…」
SW「ん?じゃあ代わりにこれを持ってくれるかい?」
といってずいっと前に出されたのは彼の逞しい腕…
「もう…」
その腕に自分の腕を遠慮がちに絡めて見上げれば、私を見下ろしてキュッと口角を上げるシウォンと目が合った
心が温かくなる
きっと彼は私がさっきまでどれほど心細く寂しい想いをしていたか、それを分かってこうしてくれている
こんなことで、私がどれだけほっとするかということも分かってる
私がどれほど弱い人間なのかも知っている
シウォンはいつだって私が欲しい温かさをくれる
いつだって優しい言葉をくれる
それは女性として私に好意をもっているから…とかじゃなく、私を親友の一人としてとても大切にしてくれているから
「Aはドンへと一緒で放っておけないんだ」って前に笑って言っていたっけ…
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作者名:ルル | 作成日時:2015年8月13日 0時