女の子 ページ18
やっと止まった頃には二人とも息を切らしていて、服も水分を含んで重くなっていた
小さな店先の屋根の下で雨宿りをする
「ちょっと、アイドルなのにこんなんで息きらしてどうすんのよ(笑)」
KH「俺はメインボーカルなんで」
歌って踊るんだからもっと大変なんじゃないの?
って言おうと思ったけど、とりあえずキュヒョンから自分のバッグを返してもらう
「ほら、風邪引いちゃうからこれで拭いて?」
KH「え、ああ…」
使われる事のなかったタオルを再び取り出してキュヒョンに渡す
今度はキュヒョンがしっかりと受け取ってくれた事にほっとしたのも束の間…
「え?ちょっと!」
KH「ヌナのタオルなんだから先に使ってください」
そう言ってガシガシと私の頭を拭き始めるキュヒョン
「い、いいよ…アイドルに風邪なんかひかれたら…」
KH「アイドルとかの前に…俺の事、女の子より先にタオル使ってる最低な男にしたいんですか」
「え、いや、その…」
普段、シウォンはともかく、ウネには女の子扱いなんてほとんどされないもんだから、ちょっと驚いた…
しかも無愛想マンネに…
KH「ふは、なんかAヌナ、犬みたいですね」
「は?」
KH「ふはっ」
「ちょっと、もう自分で拭く…」
なんだか嬉しいなんて思った数秒前を返して欲しい
KH「…」
タオルで一通り拭いていると、キュヒョンが自分の鞄からパーカーを取り出す
KH「ヌナ、これ来てください」
「は?」
KH「(笑)」
「いいって…」
KH「早く、俺も一応男なんで…今の自分の格好考えてください」
ちょっとそっぽを向いたキュヒョンに言われて自分の格好を見ると…
ブラウスが水分を含んでうっすらと透けていて…
「あ…」
KH「…黒…(笑)」
「ヤー//!!」
いつまでも笑っているキュヒョンから慌ててパーカーを受け取って、チャックを上までしっかりと閉める
「はい」とか言われてフードまで被らされて、なんだか悔しいから
「ほら、頭下げて」
KH「?」
キョトンとするキュヒョンの頭をぐいっと引っ張って、
うわってよろける彼を無視して今度は私がガシガシと彼の小さな頭を拭いてあげた
ちょ、ちょっとくらいヌナのメンツを保たなければ…
なんだかそれすらも見透かされてるように、私の手の下で笑いながらも
キュヒョンはゆっくりと屈んでくれた
309人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ルル | 作成日時:2015年8月13日 0時