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逃避行 ページ17

振り返ると呆れた顔のキュヒョンが立っていた



KH「そう思いません?」


「え?」


KH「イチャつきたいなら二人で会えば良いのに…っていうかこのドア壁薄いんじゃないですか?」


「…そう、だね…」


KH「…Aヌナ?」


「ん…?」



少し俯いていた顔を再び上げると…



「な、なに?」



じーっとキュヒョンが私の顔を見つめて…いたかと思うとニヤッと片方の口角を上げて…



KH「ヌナ、逃げたい?」



なんて聞いて来た…



「な、何よ逃げるって…まあ確かにちょっと今は入りづらいけど(笑)ってキュヒョン!?」



私が話している途中でキュヒョンが思いっきり個室のドアを開いて…

一瞬だけ見えたのはジミンさんの肩に腕をまわしているヒョクの姿…

分かっていたけど、耐えられなくて急いで再び廊下に身を隠す



EH「ちょっとおま、ノックくらい…」


KH「ああ、すみません…まさかお取り込み中だとは、失礼しました」



ぷっ…何よキュヒョン、気付いてたくせに(笑)

そのちょっと嫌みな言い方にも思わず笑みが溢れた



EH「おまえ…」


KH「さっきまで誰もノックなんてしてなかったでしょ、じゃあ俺はこれで帰るんでごゆっくり」


EH「は?帰る…ってそれAのバック…」



え…?

と思って中を覗こうとするとキュヒョンが慌てて出て来て



KH「ヌナ、走るよ?」


「え?」



って状況を理解する前にキュヒョンに腕を取られてお店の出口まで走っていた

ビックリしているジョンフンオッパに

「あ、オッパごめんなさい!また!」

と声をかけて、足がもつれないようにキュヒョンの背中を追いかけた

後ろで私を呼ぶ声がしたけど……今は振り返れなかった…



「ちょっとキュヒョナ!どういうこと!?」



外に出ると未だ雨は降っていて、

ふとお互いの髪を拭き合っていた二人が頭に浮かんだけど、

キュヒョンの振り返った顔を見たら一瞬でそんなことも消え去った



「ちょっと、何笑ってるのよ(笑)」


KH「だって、何か楽しくない?」


「っていうかこれ何なの!?」


KH「んー…愛の逃避行(笑)?」


「何それ(笑)」



いつもクールで無愛想に見えてたキュヒョンがなんだか無邪気な子どもみたいに笑うから、

私もなんだかおかしくなってきて、雨の中、二人して笑いながら走った

いつの間にか掴まれていた腕は繋がれた手に変わっていて、

アルコールのせいなのか少し温かいその手と冷たい雨が心地よかった

女の子→←ドクドク



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作者名:ルル | 作成日時:2015年8月13日 0時

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