愛される彼女１０ (ページ9)

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８ ~俺と彼女~ JJ ページ9

(JJ)

なんとなぁく、Aのことが頭にほわっと浮かぶ日がある

可愛い俺の妹は、何をしてるんだろう、と…

そんな日は電話して、彼女の大好きなお酒でも一緒に飲んで、小さな愚痴や不満を聞いて、代わりに俺は楽しい話をしてあげる

その、逆もある

それが大人になってからの、俺とAだ

練習生時代、きっと初めて彼女と仲良くなったのは俺だったと思う

初めて見た時に、色白でとても可愛い子だなと、思った

その時点で、彼女は練習生の女の子の中でも才能があるって、先生たちが噂してた

JJ「こんにちは、何て名前？俺はジェジュン」

「あ…こんにちは、Aといいます…」

話し方で、ピンと来た

だから、周りはこんなに彼女に冷たくするのかと…

だから、こんなにも怯えた顔をするんだろうな、と

JJ「ジェジュン、かオッパ、でいいよ！仲良くしてね」

握手を求めて手を差し出すと、恐る恐る両手で掴まれた

目が合ったから、にっこりと笑いかけたら、

一瞬目を大きくしたAは、恥ずかしそうに小さくにこりと笑ってくれた

「じぇじゅんおっぱ…」

Aは純粋で、優しくて、温かかった

きっと彼女がやっと掴めたこの手を、俺は繋いでてあげたいなってそう思うようになった

あの頃は、互いに何かを感じることがあった

辛くなった時、互いに励まし合って、安心して、Aが泣いてた時はいつも俺が隣に居た気がする

俺が泣いた時も、彼女が隣に居た気がする

それくらい、大事な時期を一緒に過ごしたんだ

今日、その感じがした

ふと、Aの顔が浮かんだんだ

だけど、なんだか嫌な予感がした…Aが泣いてる顔がぱっと浮かんだから…

電話でAの声を聞いた時、絶対にそうだと思った

彼女に何かあったって…

「こわい」

その一言は、しばらく聞いたことがなかったんだ

マネヒョンに詳しく聞きながら、

俺はすごく後悔した

どうしてもっと早く気付かなかったのかって

たくさんの家族が出来た君に、幸せそうに笑ってた君に、

あの頃みたいに、もう「こわい」ことなんて起こらないんだと思ってたんだ

あんな風に涙するのは、無いと思ってたんだよ

ソファの上、抱きしめた身体がいつもより小さく感じた

それでもぎゅうっと強く抱きしめる

「大丈夫、俺がいるよ」って何度も言ってあげた

それが大人になってからの、大人になったって、

それが俺とAだ