愛される彼女１０ (ページ8)

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７ BoA ページ8

(BoA)

やっぱりすぐに「うん」とは言わないAだったけど、

「オンニ…」

BoA「これ以上私に心配かけたくないなら、さっさと荷物まとめて…ね？」

「うん…すぐする」

本当に、あんたがとにかく心配なのよ…

昔から、いつも少し遠慮して、自分のことは我慢するから

マネオッパが出て行ってから、ホテルの部屋で、二人で抱き合ってじっとしてた

抱きしめたAは、いつもの可愛いAなのに、いつもよりももっと小さく感じた

ここまで来る車の中と同じように、なにかを堪えるようにじっとしてる小さな妹

見てるこっちが辛くなる

こんなに心の優しい子が、少しの誤解でこんなに大きな不安に襲われるなんて

だけど、私たちの仕事は、こういうことなんだろう

常に関心を持たれること

たくさんの愛を受けること

それは本来、私たちにとって、とてもありがたいことなのに

それでも、私の家族が、私の大事な妹が、

こんなふうになるくらいなら、私がそれを止めなくちゃ

行き過ぎた関心は…どうして留めたらいいんだろう

ぎゅっと強く抱きしめると、彼女の電話が鳴った

見えた名前の表示に、話してる相手は分かってる

横で聞いてたら、だんだんと彼女の表情が変わってくのが分かった

みるみる、幼い子どものように泣きそうな顔で、

『おっぱ、すぐ来て…お願い…こわいよ…』

初めて会った頃の、まだ拙い韓国語を話して恥ずかしそうに笑ったAを思い出した

自然と日本語が出たんだろう

なんの違和感も無く、本音が出たみたいだった

ジェジュンと変わると、とても焦った声で場所を聞かれた

こんなとこ、昔と何も変わらないんだ

Aの代わりに、ドアを開けると、走って来たんだろうジェジュンが立っていた

JJ「Aは？奥？」

頷くと、走って部屋の奥へと進むジェジュン

JJ「ごめんな…」

私も部屋へと戻ると、

ソファの上で、小さなAが潰れてしまうくらい抱きしめるジェジュン

JJ「大丈夫…俺が来たから、泣いちゃっても大丈夫だから…怖いって言っても大丈夫だよ…ちゃんと守るから」

ジェジュンの言葉に、何かがぷつんと切れたみたいにAは泣き出した

大きな声で…

ジェジュンの服を、背中に回した手で、シワになるくらいぎゅっと握りしめる小さな手

私もそっと座って、その手に重ねると、握り返された

ぎゅっと、強く強く

JJ「ごめんな…」

ジェジュンも泣いてるみたいだった

私も涙が出た