彼と彼女と幻の民の魔法契約 (ページ42)

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記憶と友達の条件7 ページ42

フィオ「…えーっとつまり、私の黙示録にはAの魂魔法とは別の特性があって……それを扱えるようにならなくては……ということですね？」

頭上に『？』を浮かばせながら確認するフィオ。

ターフェ「そうだ。『黙示録』の特性は扱えれば最強だ。だからこそ狙われるんだがな……」

マリン「『黙示録』の特性って……」

ターフェ「タダで教えるとでも？」

爽やかな笑顔でさらっと答えるターフェ。

マリン「だよね……」

ターフェ「さて……話を戻すと、魂で形成された武器は魔法を強くし物理的な破壊力も改造銃の比ではない」

フィオ「あの銃より……もっと……」

フィオは、ファントム達の使っていた改造銃を思い出す。

ターフェ「ただし、魂を常に危険に晒す事になる上、才能のないやつが圧倒的に多いため魂魔法の使い手は少ない」

A「うん、折れたりしたらその使い手も死んじゃうんだ…」

ターフェ「ただ、他の魔法と決定的に違うのは契約した相手に自らの魂魔法を貸与できる点だ」

フィオ「私とターフェの関係ですね！」

ターフェ(杖はいつか私が独占するがな……)
「とりあえず魂魔法の持続から特訓だな……
今だと１、２分ってとこだな」

フィオ「わかりました！」

特訓するフィオと、それにアドバイスするAとサファ。
その様子を木陰で伺っているターフェとマリン。

マリン「……ターフェ君って悪の大魔導師なのにA君やフィオ君のこと襲ったりしないんだね」

ターフェ「─……前世ではそういうので失敗したからな」

マリン「……もしかして、あの英雄フォリア様がフィオ君で、英雄レナ様がA君の前世なのかい？
魔法系統の得意・不得意も、前世知っていたからわかっていたんだね」

ターフェ「そうだが、詮索しようとしているなら無駄だぞ没落皇子。
そもそもお前は私の手駒なんだから、黙って働け」

マスグラ「フォリア様もレナ様もとーってもかわいかったんですよ～」

マリン「ごめんよ…」
(──……俺の国よりよっぽど恐ろしいはずなのに……不思議と彼の事をそう悪くないと思ってしまうのは……早くもカリスマ性ってやつに毒されているのかな……)