彼と彼女と幻の民の魔法契約 (ページ28)

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疑惑と疑念のクラスメイト11 ページ28

A「準備はいい？」

フィオ「はい、問題ありません！」

ターフェと別れたフィオとAはマスグラを持って郊外へ転送しようとしていた。

A「じゃあいくよ！」

詠唱無しの転送魔法を発動する。
　

A「よっと…」

郊外に呼び出したサファの少し離れたところに着いた。
そこからサファのもとへ歩いていく。
角を曲がると、サファがいた。

フィオ「………」

サファ「話って何？」

A「聞きたいことがあって……」

フィオはゆっくりと息を吸い込む。

フィオ「……サファさんは私たちの『敵』じゃないよね？」

サファ「！！」

サファは驚いたように体をピクリとする。

フィオ「あ、あの…私たちの友達に情報屋さんがいて……」

サファ「マリン！」

サファがそう言うと、フィオ達の背後で魔法をまとったマリンが今まさに攻撃を仕掛けようとしていた。

A「！」

ドッ！！！

アン「…おや、貴方は行かないのですか？」

校舎の中にいたターフェに小鳥姿のアンが問う。

ターフェ「今、行くさ…。アンブリゴ、何故お前は私のやることを止めない？前世はよく干渉してきたくせに」

ターフェの質問を無視してアンが納得する。

アン「あぁ……わかりました。貴方の使い魔をつけているのですね。なら安心です。Aもまだ力を制御しきれてませんしバレたら大変なことになりますしね」

ターフェ「おい、話を聞け」

アン「反則レベルですもんね～、でもあんまり派手にやらないでくださいね」

ターフェ「……ふん……手加減はしないがな……」

砂ぼこりが立ち込める。

マリン「………！」

マリンの攻撃はAによって防がれた。

A「……あ、危なかった……」

フィオ「A……！」

マリン「……くそっ！……」

A「……で、でもマスちゃんが……」

Aの手からマスグラが消えていた。

マスグラ「大丈夫ですよ、フィオ様、A様」

サファ・マリン「！！？」

砂ぼこりから出てきたのはいつもの帽子姿のマスグラではなく、黒いマントをまとった冥王マスグラだった。

サファ「さっきまで誰もいなかったのに……！」

マスグラ「えぇ、今もとの姿に戻りましたからね。初めまして、人間のお嬢さんとお坊っちゃん。私はマスグラ。現在はとあるマスターの元で秘書、兼『使い魔』です。ついでに死後の世界の『冥界』でしがない『冥王』という職業をしております☆」