彼と彼女と幻の民の魔法契約 (ページ25)

今日:7 hit、昨日:2 hit、合計:22,709 hit

疑惑と疑念のクラスメイト8 ページ25

ファントム『どうかしました？旦那。なんか騒がしいっすね？』

ターフェ「いや…なんでもない。続けろ」

ファントム『…あの２人の情報は「ない」ですぜ』

ターフェ「………わかった、じゃあな」

マスグラ「マスター今のでわかったんですか？」

ターフェ「情報屋が“ない”なんてことはあり得ない。そもそも情報が“ない”人間など存在しない。ないということは情報が売れない、つまり過去に取引したことのある客。『客』の情報は売れない。これは情報商売の鉄則」

ターフェが外で化け物と対峙しているサファをにらむ。

ターフェ「そもそも情報屋なんて普通の学生が使うものか。
サファ・パパラチア、そのバディマリン・パライバトル。

あの２人が『スパイ』である可能性が高いってことさ」

マリン「サファ！！」

サファ「！」

マリンが屋根をつたって走ってくる。

マリン「大丈夫かい！？サファ！！」

フィオ「あいつは……危険……！」

A(…変装が解けない程度に…)

Aはサファやマリンにバレないように魔法を使う。

A(貫け、「制裁の剣」！)

Aの背で動かした指先の動きに合わせて黒い化け物が攻撃を受けて、粉々に砕けた。

サファ・マリン『！！？』

すると、化け物のすぐ前にアンが現れた。

アン「悪い子には還ってもらいましょうか～
『世界へお還り』」

アンがそう言うと、黒い化け物は消えた。

アン「危なかったですね」

にこっとしてアンがフィオたちに振り返る。

マリン「アンブリゴ学園長！」

A「ア、アン……」

Aが言いかけたそのとき、フィオがAの手を引き、どこかへと走りだす。

A「！？え、フィオ…？」

フィオ「ターフェのところへ行きましょう！」

A「……？」
(……なんでだろ…)

アンブリゴも、では、とその場を去り、そこにはサファとマリンしか残っていなかった。

サファ「……さっきの魔法……見えた…？」

マリン「あぁ、ルナーゼさんの手の動きが、ね」

サファ「………あそこまでとは……」

マリン「……大丈夫、なんとかなるよ」