彼と彼女と幻の民の魔法契約 (ページ16)

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運命と因果のバディ10 ページ16

煙の中から現れたのは、アンブリゴだった。

A「ア、アン！？」

フィオ「おじい様！？今日はお忙しいと……」

ターフェ「アンブリゴ・フォスフォール……本当にしぶとい老いぼれだな」

ターフェが皮肉を言っていると、アンも皮肉で返す。

アン「おかげ様で……貴方こそまだ私の娘の魂に執着してAのストーカーしてるんですね」

ターフェ「おまっ……そもそもだな！お前の娘が私の力を奪って自害したせいで……第一今はお前の娘じゃない！！」

アンは、フッと鼻で笑う。

アン「おや、Aのことは否定しないのですね」

ターフェ「はぁ！？別にそう…──」

アン「はーいはい、そういう話は場所を変えましょう」

アンがパチンと指をならすと、景色が街中から見慣れた場所に変わった。

ターフェ「ここは…パナシェドール魔法学園か」

アン「ピンポーン！私は今ここの学園長なのですよ～」

ターフェ「なるほど、こいつらが入学試験ズル出来たのはそういうわけか」

A「うぅ…」

フィオ「ズルって言われると……」

お２人ならOKですよ～というマスグラの一言のあと、モンテの怒りの声が学園長室に響き渡る。

モンテ「おい、アンどーいうことだよ！
こいつはアタシ達夫婦の最大怨敵っつーやつだぜ！まさか許したって訳じゃないよな！！」

アンはにっこり笑ったままモンテの話を聞いている。

A「──…アン、その…」

アン「大丈夫ですよ、A。
貴方達がバディであることは私が認めます」

モンテ「はぁ～！？」

A「やった！」

フィオ「よかった…」

アン「ただし、私のテリトリーで悪さは許しません。即時にドッカーンです。勿論、２人に『結界外』で手を出そうとするならそれ相応の覚悟はしてください」

ターフェ「……ふぅん、私をこの馬鹿たちのボディガードにしようってわけか？その考えは概ね正しい、契約もある上に死ねば『黙示録』も『予言の能力』も手に入らないしな」

モンテはまだ許せないのか、アンに、なんでー、なんでー、と抗議している。

アン「それに加えて今の貴方に全盛期のような力はなく私に逆らう術もない……
でも、それだけじゃありませんよ。
貴方は後悔している。
貴方には彼女たちだけでしたから」