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「せっかくやし写真撮らん?」
『いいね!撮ろう』
お互いに撮りあいっこする。
「あそこでツーショット撮ろや」
スカイくんが指を差したのは一際光っているオブジェ
優しく腕を引かれ、顔が近づく。
「ん、撮れた」
「Aちゃんこれどこ向いてるん(笑)」
スカイくんのスマホに映っている私は外側の斜め上を向いている
ドキドキしてカメラを見ることすら忘れていた
『ほんとだ、どこ見てるんだろ(笑)』
「これもまた思い出やな(笑)」
「ちゃんと可愛いし」
またそんなこと言う
でも、またって言ってもいつもとトーンが違う感じがする
なんていうか、胸がくすぐられる感じ
「なあ!あそこもめっちゃ綺麗なんやけど」
『ほんとだ、グラデーションになってる』
一通り歩いて見て回った
「寒ない?」
「あそこに飲み物売ってるけどいらん?」
なんとかティーみたいなのを売ってるキッチンカーがある
美味しそうだし買おうってことになって、列に並ぶ
「座れるとこ探そ」
『うん』
『あ、あそこのベンチ空いてるよ』
私が座る部分をササッと払ってくれる。
「ん!これおいしい」
『いただきまーす、あっつ』
「大丈夫?笑」
『大丈夫、想像より熱かった(笑)』
「猫舌?」
『いや、そうでもない(笑)』
「違うんかい(笑)」
『あ、これもめっちゃおいしい』
その後も特に意味がある訳じゃないけれど常に口角が上がる、そんな会話をした。
「Aちゃん」
『ん?なに?』
「伝えたいことがあって」
「もちろん普通にAちゃんと遊びたかったのもあるんやけど、それを言いたくて今日誘った」
突然変わる雰囲気についていけない
正直、これから言われることを想像することはできる。
でも、だからこそ、頭が回らない。
真っ白になる。
ふぅ…と大きく息を吸ったスカイくん
「Aちゃんのことが一人の女性として、好き」
「僕と付き合ってくれませんか」
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作成日時:2023年8月29日 23時