戻れるのなら戻りたい (ページ3)

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それからはもう完全に1人にしか目が向かなくなっていた。

透き通るような歌声

長い手脚から放たれるダンス

何歳なのか知らないけどすごく大人な立ち振る舞い

見惚れていたらライブは終わっていてテンションの高いユイサに話しかけられる。

ユイサ「どうだった？人生初ライブは！」

『凄かった、めっちゃ楽しかった！』

「よかった〜！なんか良い人とかいた？」

『スカイくん、かっこよかった』

「え！意外なんだけど！」

「なんかもっと愛嬌ある人の方が好きなのかと思ってた！」

私には表情豊かで小さい子供とかにも好かれそうだなぁと思うぐらい愛嬌のある人に映って見えたから、そう言われて少しびっくりした。

「この後特典会なんだけどAも行く？」

『えっと、なんだっけ』

「1対1で一緒にチェキ撮るの！」

「1回1000円で1分ぐらい喋れる！」

初めての経験だし記念にもなるかって思って行ってみることにした。

「そうだ！Aの番の前に私1回行く！」

『え？』

「私がAの前に行って、次初めて来るの友達って先言っとく！｣

『なるほど。でも1000円かかるじゃん』

「いいのいいの！初のチェキは思い出になるから！」

『じゃあお願いしていい？』

「よしっ！じゃあ券買いに行こ！」

無事に券を買えて列に並ぶ

結構周りの人は何枚も券を持ってる感じで雰囲気に圧倒されている

「スカイ即認知してくれるよ」

『覚えてくれるってこと？』

「こないだ全員とハイタッチするイベントがあったんだけど私スカイと話したことないのに名前知っててくれて」

『えーすご！』

「トウマくんなんて3ヶ月通っても名前呼んでくれなかったのに」

『どちらかと言えばそっちの方が普通じゃない？笑』

「確かに笑」

色々喋ってるうちにどんどん自分の番が近づいてくる

「もうそろそろじゃん！」

『なんかアドバイスとかある？』

「緊張して下向いちゃうのはもったいないからちゃんと顔見るのは大事！｣

『分かった！』

「まあ私先行くから大丈夫！」