２１１話ただいまとよろしく ページ42
「退院おめでとう！A〜！」
「ありがとう！っていうか仮だけどな〜」
クラッカーを手に持った円堂が前に現れる。
食堂の壁には「退院おめでとうA」と書いてある紙が貼られていて、その周りには折り紙の輪っか飾りがある。
「マネージャーたちがお前の好きそうなもの、いっぱい作ってくれたんだ！」
「料理のメニューは、俺が考案したぜ！ちょっと手伝ったんだ」
「本当！？雷電の味久しぶりに食べたかったんよ〜！」
きゃっきゃとはしゃぐ私を見て、みんなは嬉しそうにしている。
今は悪いことを考えるのはやめよう。
それぞれにご飯が渡って、全員手にジュースを持っている。
「それじゃあみんな……乾杯！」
「「乾杯！」」
みんなに囲まれてご飯を食べるなんて、雷門キャラバン以来だ。
そういえば、喋ったことのないメンバーが何人かいるな〜。
すると修也が緊張気味の男の子を連れてきた。
「A、紹介するよ。宇都宮虎丸だ」
「う、宇都宮虎丸です！虎丸と呼んでください！」
「おお、イナズマジャパンのストライカー！
私は竜城A！Aって呼んでくれな〜よろしく虎丸！」
「はい！Aさん……！俺、光のストライカーに会えて光栄です！」
「え！」
光のストライカーって……そんな異名まだあったのか。
嬉しいようでちょっとこそばゆい。
「虎丸はいつもお前の話をすると勝負したいとずっと言っていたぞ」
「イタリア戦では、タイガーストームを見せれてよかったです！
次はストライカー対決しましょう！」
「おぉ、そうじゃんそうじゃん！ま、私は2点決めたしひとまずは私の一勝かな？」
「なっ！ずるいですよ！！なら、今から勝負といきましょう！」
「望むところな〜！」
「俺にはどっちもどっちに見えるぞ……。
それに、Aは仮退院だからサッカーはしてはいけないんだろう」
ヒートアップしている虎丸と私の間に修也が入る。
そうだそうだ、まだサッカーしちゃいけないんだった……。
仮退院中はサッカー禁止って念には念を押されているんだった。
「ぐぅ〜！せっかくサッカー出来るメンバーがいるのに、出来ないの残念過ぎる〜！」
「もう少しの辛抱だ」
修也の目がある以上、難しいだろうな……。
「俺は医者の息子だから、お前を止める義務がある」
「なにそれ〜！」
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