２０８話内緒だった話２ ページ39
「目は平気なのか？試合の時は見えていなかったんだろう」
「うん。あれは自己暗示をかけていたからね。
父さんの元にいたおかげか落ち着いているから眩しすぎるってことはしばらくないのかも」
「そうか……」
「でも自己暗示は正直博打だったかな……修也のことは忘れかけていたし、自分で解くことはできない。
それに、長期化すれば本当に危なかった」
「
「そう。『眩しい』だとすぐに解けちゃうし。
フィディオが偶然導き出せたからよかったけど、誰かに伝えるの忘れちゃってたな〜」
知っているのは雷電の兄妹だけだったけど、あの子たち意味分かっていなかったから一生気づかない可能性はあったな。
修也は怒る気もないのか呆れている。
「あ！そうだ！……あのさ、イタリア留学の話なんだけど」
「留学？」
私は修也にイタリア留学の話を持ち出されたことを言った。
修也と同じ高校に進学するためには、実績がないと難しい。
だから半年間だけ行こうと思っていることを伝えた。
真剣に話を聞いてくれた修也は、こくりと頷く。
「また突然だけど……俺は応援するよ。
お前とまた離れてしまうのは寂しいが……そのあとはずっと一緒にいてくれるんだろう」
「うん！ありがとう。もっと強くなって修也たちの近くでサッカーしたいんだ」
「沖縄と東京……じゃなくて、イタリアと沖縄か」
「あはは、超長距離恋愛だね」
けらけらと笑うと修也は心配そうな顔をして手を握って来る。
「……お前は、これからも危険な目に自ら向かっていくのか」
「！……この目がある限り、私は向かって行くと思う。
だけど修也や仲間がいるから大丈夫かなって思ってるよ」
「お前が驚異的なものに立ち向かうなら、俺も行こう。
だからまずは相談してくれ」
「修也もね！危険なところに行くなら私も行くから」
「……そこは止めてくれないのか」
「なはは〜……」
そのあとは私たちは今まであったことをたくさん話した。
イナズマジャパンのこと、沖縄のこと、新必殺技のこと……。
面会時間ギリギリまで、喉が枯れるまで喋り続けた。
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