２０２話イタリア留学３ ページ33
「お邪魔するわね」
「あーっ！夏美久しぶり！」
「久しぶりね、Aさん」
病室に入ってきたのは、ジャージ姿ではなく私服姿の夏美だった。
そういえば、試合の時に夏美はいなかった気がする。
「夏美は、今イナズマジャパンと一緒にいないの？」
「ええ、諸事情があって。あなたもそうでしょう？オルフェウスのストライカーさん」
「なはは……」
「この後どうするの？」
「この後？私はオルフェウスとして……」
「そうじゃなくて、今後よ。FFIが終わった後の話」
「終わった後……」
FFIが終わって、私はどうするんだろう。
私は修也と一緒にいたい。
中学はどうか分かんないけど、高校生になっても、大人になっても隣でサッカーをしたい。
……イタリア留学の話、夏美にしてみようかな。
人に相談するっていうこと、今してみよう。
「……そう、イタリア留学……いいじゃない」
「でも、修也と離れ離れになっちゃう……」
「……恐らく豪炎寺君は頭もいいし運動もできる。
高校は木戸川に戻るか、雷門高校に行くか分からないけどサッカーの強いところに行くでしょうね。
でもあなたは中学は通っていないし大会で成績も取ったこともない。
イタリア代表だったことも結局は裏で働いていたことだから無効のはずよ」
夏美に何も言い返せない。
そうだ、私は勉強は辞典での知識くらいで数学とかてんでだめだ。
中学にも通っていないし大海原サッカー部も強いけどFFの予選決勝止まりだ。(不戦敗だったし)
「留学をしていたという実績は大きいし大抵の高校は大丈夫よ。
雷門高校にはスポーツ推薦はある。
だけど、イタリアでちゃんとした結果を残さないと意味がないわ。
そうしなければ、豪炎寺君とは離れ離れ。
一緒に同じ高校でサッカーをすることはできない」
「！……やってやる！イタリア留学！！」
「ふふ、いい決意ね。とりあえずはもう一度豪炎寺君に相談してみなさい。
まぁ、彼ならオッケーすると思うけど」
夏美は何故か絶対の自信があるみたいだ。
でも私もそんな気がしている。というか修也を無理やりでも説得しなくちゃ！
「ありがとう、夏美に相談してよかった！」
「ふふ、人に相談するってこと……ようやくあなたも学んだみたいね」
「うぇ……」
なんか、言葉では夏美に勝てない気がする。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 114人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
