１９２話いつもの二人３ ページ23
「邪魔すんぜ。お前の湿気たツラ、拝みに来たわ」
「失礼するよ」
「不動！佐久間！」
次に入ってきたのは不動と佐久間だった。
「あれ、鬼道は？」
「あぁ、あいつは取りに行かないといけないものがあると言ってたな。
後で来るみたいだぞ」
「おいおい、俺たち三人が常に一緒にいると思うなよ……」
「え、違うの？」
きょとんとした感じで返すと、不動はげ……とちょっと不服そうな顔をした。
でも頭上のキラキラを見るに、まんざらでもないのかな。
「Aは、イタリア代表決定戦のことは覚えているのか？」
「うん、朧気だけど。
ちょっと心折れかけていたから、佐久間たちの言葉胸に響いていたよ！
そうじゃなかったら、本当にダメだったかも」
「そうか……よかった。闇に触れたことで、少しお前のことが分かったからな」
「そう、だったんだ」
あの時は本当に無心だったけど、4人の言葉は常に残っていた。
前に向かなきゃ。立ち向かおうって思ったんよな。
「不動もありがとな！」
「別になんもしてねえよ。
ただてめえと勝負がついていなかったからなんとかしたかっただけだ」
「あはは、なんだかんだ不動は素直じゃないな〜」
「……ケッ、こいつはいつも会話がやりにくいんだよ……」
「そうか？俺は良いコンビな気がするが」
「てめえは黙ってろ。あ〜あ、しらけちまった。俺は帰るぜ」
そう言って不動は席を立ってさっさと病室を出てしまう。
佐久間は仕方ないな……という感じで不動の椅子をまとめて片付ける。
「まったく……あんなことを言いながら、かなり心配していたと思うぞ。
Aは、不動の光を分かっているんだろう？」
「うん。もう黒い光なんてどこにもないよ」
「フッ……だろうな。イナズマジャパンに入ってあいつは変わったな」
佐久間もイナズマジャパンに入って凄く変わったと思うよ。
そう言おうと思ったけど、不動と同じ感じで佐久間も素直じゃないから言わないでおいた。
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