１７２話カテナチオカウンター２ ページ3
フィディオside
「カテナチオカウンター！？」
「でも、あの必殺タクティクスはまだ未完成だろ」
試合開始前に、俺は仲間にカテナチオカウンターをやることを伝える。
でも仲間はあまり乗り気ではないみたいだ。
「大丈夫だ、俺に任せてくれ。それにカステーロとも協力しないとこの試合は勝てない。
積極的にボールを回すんだ。今は味方同士で仲間割れしている場合じゃないからな！」
見ていてくださいミスターK。その目で……俺たちのサッカーを。
カステーロは何も言わず、真っすぐ自分の配置に向かっていく。
「大丈夫か？カステーロ」
「……」
返答はないけど、彼なら大丈夫だ。
試合開始の笛が鳴る。
イナズマジャパンの染岡が攻めてきているのを見計らって、俺は叫んだ。
「カテナチオカウンターだ！！」
そう言うが、仲間はみんな動かない。
「俺たちのサッカーをすりゃ負けやしねえんだよ！」
「悪いなフィディオ、この試合だけは好きにさせてもらうぜ！」
「まさか……みんな！？」
ラファエレとブラージの言葉で気づく。
ミスターKには従わない……俺の言っていることも、従えないってことか……！
カステーロにパスを回さないどころか、俺にも回さない。
俺たちの勢いが弱いせいか、イナズマジャパンが攻めて来る。
FW3枚にマークを付けていたが、そこにDFの吹雪が上がってきた。
「今だ！豪炎寺君！」
「クロスファイア！」
「任せろ！コロッセオガード……うわああ！！」
先制点は、イナズマジャパンに決められてしまった。
点を決めた豪炎寺が、カステーロのことを見つめる。
「A……俺は本気でお前に勝つ」
「……」
そう言って自分のポジションに戻っていった。
カステーロはどこか遠くを見ているだけだ。
みんなの気持ちがバラバラだ……このままでは勝てない。
みんなが、ミスターKのサッカーを理解することができれば完成するはずなんだ。
イナズマジャパンを打ち倒す、カテナチオカウンターが！
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