１８１話私のサッカー３ ページ12
ヒデナカタとの出会いは、雷門イレブンが解散して沖縄にいた時のことだった。
「いたっ……！」
ダークエンペラーズとの試合後、定期的に目がキラキラで覆いつくされるときがある。
雷電や条介のキラキラや、海や空のキラキラでさえも、今は凄く眩しいと思ってしまうほどだ。
……もしかすると、『また』まずいのかもしれない。
心当たりがあるとすれば、雷門と長くいすぎたからだと思う。
私はキラキラが大好きなのに、浴びすぎると目が見えなくなってしまう。
本当に、厄介だ。
こうなると頼れるのはあの人しかいない……影山零治。私の、元父だ。
──『忘れるな。お前はいつか私に縋りにくる』
その言葉がいつまでたっても、離れない。
父さんは、どうしてサッカーを憎んでいるんだろう。
こんなにも楽しくて、眩しいサッカーを。
「父さん……」
憎いはずなのに、嫌いになれない。
大事に育ててもらったことは、間違いはないから。
どうしようか悩んでいると、砂浜に二人の人物が現れた。
「君は、竜城Aだね」
「！どうしてここを……！」
私はすぐに警戒態勢を取る。
秘密の浜辺は、森の中にある。
海から来るか、険しい林の中を歩かないとたどり着けないのに……！
「突然すまない。俺はヒデナカタだ」
「俺はルカ。よろしく〜」
「ヒデと、ルカ……？」
「今日は君に協力をしてほしくて声をかけたんだ。君の父、影山零治について」
「！」
ヒデは父さんが今のサッカー界に驚異的なことをしようとしていることを伝えた。
そして、私と同じような目の病気を持っている少女を父さんが救おうとしている話も。
「影山を救うには、君の力が必要だ。それに君もどうするのか悩んでいたんだろう」
私の目も治せて、父さんを助けられるかもしれない方法。
それは完全に博打であり、そして仲間に心配させる行為でもあった。
だけど、これしかない……。
何度も考えて、結論がこの方法しかなかった。
だけども私は良くも悪くも正直だからな……。
「……そうか」
なら、「正直にさせちゃえば」いいんだ。
自分を暗示する形で思い込めば……。
かなりハイリスクハイリターンだし、もしかしたら修也たちに相談すればもっといい方法が思いつくのかもしれない。
でも父さんのことは……さすがに相談できないな。
「分かった。協力するよ」
私はヒデの手を取り、そして父さんに接触したんだ。
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