１７１話カテナチオカウンター ページ2
豪炎寺side
ついにイタリア代表オルフェウスとの試合になった。
俺は自身の胸にいつもかけているネックレスを見つめた。
夕香からもらった誓いのペンダントと一緒に、Aとおそろいの小さな赤い宝石のついたペアリングがある。
Aは……俺と最後に出会った時ちゃんと胸にペアリングをネックレスとしてつけてくれていた。
だから、大丈夫だ。そして試合が終わったら全て話してもらう。
「豪炎寺」
見かねた円堂が話しかけて来る。少し不安そうな目もしている。
「……大丈夫だ」
「あぁ」
ユニフォームの中にネックレスをしまう。
そしてコンドルスタジアムのフィールドに向かった。
大歓声の中、すでにオルフェウスたちは試合の準備を行っていた。
その中に、フードとキャップを深く被った人物を確認する。
イタリア代表の監督、ミスターKは不気味な笑みを浮かべるとカステーロに指示を出す。
「行け、カステーロ。お前の本気を見せるんだ」
「……」
Aはフードのついたパーカーを脱ぐ。
そしてその下にはオルフェウスと同じユニフォームがあった。
背番号は46。キャップは被ったままだが、俺たちの仲間のほとんどはその姿に見覚えがあった。
「ええ！？なんでオルフェウスにAさんが！？」
「A……どうして！？」
「……へえ、やっぱり現れたか」
代表決定戦で戦った不動は、すでに読んでいたみたいだ。
だが他の仲間のどよめきに、Aは耳を傾けない。
俺たちのことなど気づいていない……そう言うように。
会場全体に、実況と解説の声が響く。
「ここでイタリア代表オルフェウスは、特別推薦枠のカステーロを投入してきました！」
「選手経歴のない人物ですが、どんなプレイをするのか楽しみですねぇ」
「……A」
俺の言葉も、届きはしないか。
「大丈夫だ！」
仲間の不安をかき消すかのように、円堂が声をかける。
「俺たちの全部をぶつければ必ず勝てる！
Aに見せてやろうぜ！俺たちのサッカーを！」
「「おう！」」
俺たちの声が届かないのなら、プレイで証明するまでだ。
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