１６９話時計の針４ ページ45
「まだ集合15分前だよ？いつからここにいたの？」
まるで昨日も一緒に話していたかのような、そんな雰囲気でAは俺に尋ねる。
「そんなことはどうでもいい！お前、今までどこにっ……！」
「心配かけたのはごめん。仲間にも、迷惑かけちゃって……」
「…………目の調子は」
「いい、とは言えないな〜けど絶対なんとかなるから！」
Aらしいいつもの口調で、俺は少しずつ落ち着きを取り戻していった。
俺よりも、彼女の方が冷静だったからかもしれない。
一歩、一歩とAに近づこうとするが、逆に離れていく。
……これ以上近づくと、もしかしたら目に影響が出るかもしれないか。
それとも、彼女自身が離れようとしているのか。
「……私は、このあとみんなと戦わなくちゃいけない」
「！」
いつもと雰囲気の違うAに目を見開く。
口をきゅっと真一文字に結んでいた。
そして、俺の渡したペアリングを、指でいじっている。
時折小さな赤い宝石がキラキラと反射していた。
「それどころか、どちらが勝ってもいい……そうとまで思っている」
「……やらなくてはならないことが、あるのか」
ゆっくりと頷く。
俺は先ほどまで握りしめていた拳を少し緩めた。
手のひらに、爪が食い込んでいる。
「だけどね、解決したら……修也に全てを話したい！
だから……全力で、最後まで戦って……それで、そしたら……！」
そう話したところで、声が震えていた。
その先を言わなくても、俺はAの言いたいことが分かった気がする。
「……お前はいつも、喋らなさ過ぎだ」
「ふふ、そういう修也もいつも遅いくせにな！」
もう言えることはないだろう。ゆっくりと、朝日が昇っていくのが分かる。
「A……俺はお前を信じている」
「！修也……」
俺はAに背を向け、寮に戻ることにした。
これ以上ここにいてしまうと、彼女の腕を取って抱きしめてしまいそうだったからだ。
「話はあとでたっぷり聞こう、またな」
「……ありがとう」
俺の背中でまた風が吹く。
思わず振り返ってしまったが、もうすでにAはいなかった。
時間は朝5時丁度。朝日が、俺だけを照らしていた。
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トラさん(プロフ) - 物語の根本に関わるので詳しくは言えませんが、この後の展開を見守っていただけたらと思います！作者はハッピーエンドが好きなのでご安心ください。 (11月22日 21時) (
レス) id: 90ef5ae162 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 主人公（夢主）の障害又は後遺症が残たとしたら……？？ (11月22日 21時) (レス) @page37 id: c04382ac4b (このIDを非表示/違反報告)
トラさん(プロフ) - はい、なるべくならこの作品にあった内容でお願いします。どういったことでしょうか (11月22日 21時) (レス) id: 90ef5ae162 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - イナズマイレブンについて簡単に聞きたいのですが… (11月22日 19時) (レス) @page35 id: c04382ac4b (このIDを非表示/違反報告)
机田(トラさん)(プロフ) - マナさん» こんばんは！コメントありがとうございます。 (11月21日 22時) (レス) id: 8b84652de6 (このIDを非表示/違反報告)
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