無力さ【イタリア留学編】 ページ6
「今日のメニューは終了とする！きちんとダウンをしてくれ」
「「ありがとうございました！」」
夕方日が暮れるまでやったハードメニューを何とか終わらせた。
もうすでにユニフォームは草だらけ土だらけである。
「デモーニオ……ごめんな、私が足引っ張っちゃって……」
「いや、俺こそすまない……体力がないばかりに、より多く走らせてしまった」
今回のメニューは10個ほどあった。そのうち私がデモーニオよりも遅かったのは7種目……。
私が逆に彼の体力を使わせてしまっている。このままでは二人とも泥の中でもがき続けることになってしまう。
その時、ぽそりとどこかから声が聞こえる。
「落ちこぼれコンビか……お似合いじゃねえの」
耳のいい私はその方にバッと振りむく。
ニヤニヤと嘲笑している同じチームのメンバーが去っていった。
聞こえなかったデモーニオは、「どうかしたのか？」と聞いてくる。
「いや……何でもないな〜それよりもさ、明日どうやって同じペアの人に迷惑が掛からないか……考えないと！」
「前向きだなぁ……俺は、もう不安でいっぱいだよ」
「デモーニオ……」
彼の光が、夕日が隠れるようにどんどんと小さくなる。
「イタリア代表にも選ばれない俺が、どうしてこの場にいるんだろう。
どいつも強豪ばかりで、俺なんか足元にも及ばない……自分の無力さを感じるんだ」
「！そんなことない！私よりもデモーニオの方がボールコントロール力が優れていた！
ドリブルやキック力なら、フィディオにだって負けていないよ！」
「カステーロ……ありがとう」
「明日も頑張ろう。とりあえず今日は飯飯！」
そう笑うと、安心したのかデモーニオは微笑んで寮に入っていった。
……無力さ、か。
「竜城！」
「！久遠監督……じゃなかった、コーチ」
私は、名前を呼んだ久遠コーチの元へ向かった。
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机田(トラさん)(プロフ) - bizyuさん» 番外編も見ていただきありがとうございます！本編とはまったく関係ないわけではありませんが、奮闘している主人公をぜひ追っていただければと思います！(話は反れますがbizyuさんが四字熟語を好きだと作品内で仰っていたので、共通点があってニコニコしています^^) (1月1日 20時) (
レス) id: 8b84652de6 (このIDを非表示/違反報告)
bizyu(プロフ) - 番外編ありがとうございます！本編とはまた少し違う視点で見れるのでとても新鮮な気持ちで読ませていただいています！これからも頑張って下さい(о´∀`о) (12月31日 21時) (レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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