綱海との出会い ページ26
【時間軸】
影山と別れ、Aが竜城家に引き取られ沖縄に来た日。
「竜城家へようこそ、A」
「ここでは自由に過ごしていいからね」
「……うん。お父さん、お母さん」
沖縄にある古風な家に住んでいる夫婦に私は引き取られた。
父さんは私が歯向かうようになり沖縄なんて辺鄙なところに私を捨てるように置いていったんだ。
人とうまく会話なんてできっこない。父さんの時みたいに、明るく人当たりがいいように振舞っていたけど結局それが仇となり学校では転校後しばらくして浮いてしまった。
そのあとは居ずらくなってしまい、学校にも行かなくなった。
お父さんもお母さんも反対するかと思っていたけどそんなことはなく、「Aの好きなようにするといいよ」と言われてしまい、私は余計に引きこもるようになった。
別に私がどんな行動をしようが、心配なんてしないんだ。
影山総帥という存在としか今まで触れ合ってこなかったせいで、人間が信じられなくなっていた。
・
お父さんとお母さんは心配しながらも、朝早く仕事に向かっていく。
前日の夜に、お父さんに言われた。
──「明日の朝、早起きしてみなさい。外の浜辺に行って、朝日を浴びるといいよ」
「……そんなこと言って、なんも変わらないよ」
頑張って早起きをしても、お父さんたちはもういないのに。
しぶしぶと私は靴を履いて裏庭から行ける浜辺に向かった。
海も、空も私をあざ笑うかのようにキラキラと輝いている。
始めは綺麗だって思っていたけど……今は、何とも思えない。
浜辺で体育座りをしてじっと海を眺める。
……確かに、波の音を聞いていると落ち着く。
1時間くらいいたら帰ろう……そう思っていると海から人の声が聞こえてきた。
「ひゃっほおおおおう！！！」
「！？」
高く波が上がったと思うと、キラリと眩しい人が波を飛び越えて来た。
サーフボードとともに、こっちの砂浜に向かってくる。
ん、てかこっちに迫って……！？
「！？あぶねえ！」
「うぇええ！？」
どがーん！と砂煙が勢い良く舞い上がる。
当たって……はいない。げほごほとむせて目をゆっくりと開けると、私の手前にサーフボードと人が……刺さっていた。
「ちょ、ちょっと！大丈夫！？」
「お、おう……助けてくれ〜……」
それが、条介との出会いだった。
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机田(トラさん)(プロフ) - bizyuさん» 番外編も見ていただきありがとうございます！本編とはまったく関係ないわけではありませんが、奮闘している主人公をぜひ追っていただければと思います！(話は反れますがbizyuさんが四字熟語を好きだと作品内で仰っていたので、共通点があってニコニコしています^^) (1月1日 20時) (
レス) id: 8b84652de6 (このIDを非表示/違反報告)
bizyu(プロフ) - 番外編ありがとうございます！本編とはまた少し違う視点で見れるのでとても新鮮な気持ちで読ませていただいています！これからも頑張って下さい(о´∀`о) (12月31日 21時) (レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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