復活【イタリア留学編】 ページ22
その日の夜。私は本を読んでいた。
熱もだいぶ下がったし、今日一日は体を動かしていなければベットから出てもいない。
体力が有り余っているから、眠くないのだ。
すると、外からガサガサっと木の大きく揺れる音が聞こえた。
すぐに窓の方に目をやると、木を登ってきているフィディオがいた。
窓を急いで開けて私は驚く。
「フィディオ！？ちょっと危ないよ！？」
「あ、カステーロ起きてたんだ」
「いや、そうじゃなくて……！」
木のいい感じのくぼみに安定して座ったのか、フィディオはふぅ……と落ち着いている。
「もう熱は平気なのかい？」
「うん……あのさ、もしかしてだけど」
随分と木登りに手慣れているフィディオを見て、私はピンとくる。
今日、グラスが割れて倒れていた時……もしかして助けてくれたのはフィディオなんじゃないかって。
食堂で作業をしていたおばちゃんは気づくはずもない。
だから、外からしか見れる方法がこれしかないのだ。
そう考えていると、フィディオは口に人差し指を当ててシー……とやってきた。
「ごめん、覗くつもりはなかったんだけど……どうしても心配で」
「まったく……もう大丈夫だよ。明日には練習戻れるし」
「いや、明日まではきっちり休んでくれ。
監督にももう話しているし、万全じゃない状況ではだめだよ」
「うぇ〜……」
まぁ、ちょっと微熱気味だし仕方がないか……。
「君のことだ、どうせ部屋の中でサッカーするんだろう？」
「なはは、バレてる……」
「安静にね」
「はーい」
「それじゃあ……おやすみ」
いつも通りな私を見て安心したのかフィディオは木を下りようとした。
私は少し身を乗り出して感謝を伝える。
「フィディオ！ありがとう。おやすみ」
そう声をかけると、彼は微笑んだ。
「いい夢を。カステーロ」
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机田(トラさん)(プロフ) - bizyuさん» 番外編も見ていただきありがとうございます！本編とはまったく関係ないわけではありませんが、奮闘している主人公をぜひ追っていただければと思います！(話は反れますがbizyuさんが四字熟語を好きだと作品内で仰っていたので、共通点があってニコニコしています^^) (1月1日 20時) (
レス) id: 8b84652de6 (このIDを非表示/違反報告)
bizyu(プロフ) - 番外編ありがとうございます！本編とはまた少し違う視点で見れるのでとても新鮮な気持ちで読ませていただいています！これからも頑張って下さい(о´∀`о) (12月31日 21時) (レス) id: 529a911b17 (このIDを非表示/違反報告)
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