検索窓
今日:25 hit、昨日:71 hit、合計:111,431 hit

三十四話 ページ4

「あぁ…今になって、お腹が痛くなってきた…。」

「えぇ!?どうしたんだよAさん!何か変なものでも拾い食いしたのか?」

「パイモンじゃないんだから…。」

「なんだよ!オイラだって拾い食いはしないぞ!!」


あぁ、二人の漫才じみた話が少し胃の痛みを和らげた気が…………。いや、気のせいだな。確実に、痛いまんまだ。腹の中で生きの良い鯉が胃液で跳ねているようだ。
一体、何を言われるやら。何をされるやら。そんな不安が胸の内を駆け巡ってやまない。


「そんなに留雲借風真君は怖い仙人なのか?」

「いや、単に私と性格が合わない、というだけだよ。」


とは言っても、立ち往生したところで物事は解決へ向かうわけでもはない。そうであればどれほど良かったか。
意を決し、仙境へ踏み入る覚悟を決める。どうしようがどうせ会う羽目になるのだから、今のうちに言われることは減らしておいた方がいい。

空の少年と、パイモンと共に彼女の仙境へと、非常に不本意ながら踏み入った。










流石は留雲。その仙境内部は数多の仕掛けを繋いでおり、その様子からここに人が立ち入ることを嫌がっているようにも感じる。
空の運動神経の良さに救われ、なんとかその仙境の奥へと進むことができた。

「妾の仙境を通過するとは、大した者だ。」

先を進んだところで、その凛とした声が頭上から響く。
当然、見上げてみればその先にいるのは美しい青みを帯びた白羽の鶴。その羽は青々と艶やかに輝き、澄み渡った空のような硝子玉の瞳は私たち三人を見つめている。
最初こそ、賞賛といったような青眼で私たちを見つめていた留雲だが、その視線が私の方を見て止まるや否や、その瞳は次第に怒気を含んでいったように思えた。

その若く咲いた琉璃百合の色合いにも似た翼を羽撃かせ、私たちの元へ降りて来るやいなや。


彼女はその鋭い嘴で私の額をかなり強めに突いた。

三十五話→←三十三話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (221 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
686人がお気に入り
設定タグ:原神 , ショウ , 魈
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ノア(プロフ) - まっでまじだ!! (2022年11月13日 9時) (レス) @page33 id: 7cc6cd9634 (このIDを非表示/違反報告)
ぐへへへへ - あばばば好きすぎます!!お体お気をつけてください!続き楽しみにしてます!! (2022年9月14日 1時) (レス) @page32 id: 55d4558f37 (このIDを非表示/違反報告)
gtuysut5843…(プロフ) - 更新楽しみにしてます!お忙しいでしょうが頑張ってください! (2022年9月2日 0時) (レス) @page32 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
rurinigana(プロフ) - すっごい好みなものを見つけてしまった…!夢主ちゃんかっこよすぎる!!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2022年6月22日 11時) (レス) @page32 id: 29637ba3af (このIDを非表示/違反報告)
ふわな - 本当に面白いです!これからも頑張ってください!応援してます! (2022年6月15日 8時) (レス) @page30 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:とりまろ。 x他1人 | 作成日時:2021年6月10日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。