五話 ページ6
鍾離殿はあぁ言ったが、私の頭にも理性というものはある。こんなことを旧友の前で口にしたら恐らく「嘘つけ」と言われてしまうだろうが、理性はあるのだ。これでも。昔よりかは。
私にとって、魈という存在は愛しい存在だが、それは弟に向ける感情のようなものである。可愛らしい、所謂「男の子」の部類。断じて「男」としては見ていない。
確かに異性として惹かれた面もある。が、それ以上に彼の愛しさは半端じゃないのだ。昔から隙あらば愛でて褒めて、彼の全てを肯定してきた。彼には複雑な顔をされたこともあったが。
だが今離れて、再会したとなったなら私は多分壊れる。今さっきの自分の思考回路でよーく理解した。ここ数百年間で溜め込んだ愛しさが元素爆発並に爆発すると思う。
そんなことになったら真面目な彼のことだ。恐らく鬼の様な血相(事実彼は夜叉だが)で私のことを怒ると思う。最悪嫌われてしまう。
もし彼に嫌われてしまったら立ち直れそうにない。もしかしたら床に伏せてしまうかも。
「A、冷やせるものを持ってきた。……大丈夫か?」
「鍾離殿…やっぱり自分は魈に会えません」
「ん?何故だ?彼に嫌われることを気にしているのならそれは大丈夫だと思うが」
「いや、そういうことじゃ……………え??」
鍾離殿は氷袋を持って、大層不思議そうな顔で私を見た。今正に、悩んでいることに対する解答までして。
思考が停止するということを今初めて知った。棒立ち状態になってボケーッとする私の顔面に鍾離殿はその手に持った氷袋をあててきて、私は唐突に来た冷たさのあまり心臓が縮こまった。
「しょ、魈が、ききき嫌いになる心配ないって、ど、どう、どどういうことですか…?」
「話す前に一旦落ち着け」
落ち着けるわけが無い。むしろ鍾離殿は何故そんな平然とした顔でこの話題を喋れるんだ。ていうかこんなこと聞いていいのか。魈は怒らないだろうか。
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りー - 理由把握いたしました。先日は失礼なこと言ってしまって申し訳ありません。五月病など無理なさらないでくださいね。 (2021年6月3日 17時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
りる - とりまろ。様はもう小説は書かれないんですか…? (2021年5月31日 7時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
り - すみません絵じゃなくて小説です…誤爆しました… (2021年5月26日 18時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
り - イッキ見しました…ひゃえ…大好きです主様の絵好きです更新まってます!! (2021年5月22日 0時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白くて大好きです!更新頑張って下さい! (2021年4月25日 14時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とりまろ。 x他1人 | 作成日時:2021年3月31日 20時