十話 ページ26
「はぁ…まさかここにきて仙人たちに会え、だなんて言われるとはなぁ…」
少年の無実証明のため、絶雲の間に向かう必要があるのだが、どうも足が進まない。
当然のこと。魈に会うことは鍾離殿との契約の一部であり私が会いたいという気持ちもあったからこそ会いに行ったのだから。しかし他の仙人となると話は別。会いに行きたくない。
特にあの引き篭りの留雲借風真君には絶対に会いたくない。絶対に口うるさく言われる。最悪頭を突かれるかもしれない。あの人…いや人というか鳥だが、あの人の言葉はきつい。
「大丈夫ですか?」
「すまない…本来なら君を気にかけるべき立場なのに自分の身のことを案じてしまった」
あからさまに乗り気ではない態度を思い切り外に出してしまう。しかし、今更になってあとには引けない。
いや、山に会いに行くのであれば、私は登山しなくていいんじゃないか?禁忌滅却の札は安全に仙人の領域に入れるものだから別に私がついて行かなくても彼は他の仙人に危害を加えられないよな。
「そういえば、お姉さんの名前全然聞いてなかったな。なんていうんだ?」
そんな邪なことを考えていると空を飛ぶ子から質問が飛んできた。
あぁ、よくよく考えてみれば今の今まで一言も自己紹介してないのか。それは逆にすごいがこの先一緒にいるなら名は名乗っておくべきだ。
「私はA。先も言った通り、璃月で作家をしている。よろしく」
「オイラはパイモン!こっちは旅人の空だ!」
にひっと笑うパイモンと少し微笑む空を見る。この空という子は若いながらに、その根から強い力を感じる。
それに見た感じ、神の目を持っていない。しかし彼からは元素の気配を感じる。随分と不思議な子だ。あぁ、でもそれは私もか。
「自己紹介も程々に、そろそろ絶雲の間に行こうか」
「おう!仙人ってどんな奴なんだろうな」
元気よく返事をするパイモンと静かに頷く空に軽く微笑みかけ、絶雲の間へと足を進めた。
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りー - 理由把握いたしました。先日は失礼なこと言ってしまって申し訳ありません。五月病など無理なさらないでくださいね。 (2021年6月3日 17時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
りる - とりまろ。様はもう小説は書かれないんですか…? (2021年5月31日 7時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
り - すみません絵じゃなくて小説です…誤爆しました… (2021年5月26日 18時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
り - イッキ見しました…ひゃえ…大好きです主様の絵好きです更新まってます!! (2021年5月22日 0時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白くて大好きです!更新頑張って下さい! (2021年4月25日 14時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とりまろ。 x他1人 | 作成日時:2021年3月31日 20時