七話 ページ23
その言葉を口にすると、隣にいた少年は身構えるように「公子」を見た。空に浮く小さな子も驚いたように体を後ろへと下がらせる。
まさかこのタイミングでファデュイの執行官が訪れるとは思っていなかった。
彼らが神の心を狙っているという話は知っている。鍾離殿はそれを使って今回の「帝君殺害」を考えたのだから。しかし、その契約内容はファデュイの執行官「淑女」とのものだったはず。「公子」という名に聞き覚えはない。
「…ふむ。まぁこの際、君の身分はどうでもいい。できればゆっくりと話し合える場を提供してほしいな。後ろで歩いてる千岩軍が私たちを怪しまないとも考えられない」
「で、でもファデュイについていくなんて…！」
「安心したまえ。もし何かあれば君たちに降りかかる全ての責任と危害は私が受け持つ。元より、君たちを無理に庇って逆に疑わせてしまったのは私の責任だからね」
元よりファデュイである彼がもし、鍾離殿との契約を知っているのであればそう簡単に璃月の人々には手を出せないだろう。しかしこの感じ、おそらく彼は鍾離殿がファデュイと交わした契約の内容を知らない。あの契約は、ファデュイの中でもごく一部の人間しか知らないのだろうか。それこそ、「淑女」のみとか。
彼は要監視だな。もし彼が璃月に危害を加えることになったなら、全力で阻止しなければ。
彼を監視するのはついでとして、本筋はこの少年を守ることだ。そうと決めた以上少年の無実が証明されるまで私は少年を庇わなければいけない。
「どうしてそこまで…」
「救済には御礼を。目的には代価を。契約には責任を。
この港で生きる以上、自身が決めたことは余程のことがない限り放棄することは許されない。君たちを守ると決めた以上、私はこの役目を途中放棄するわけにはいかないんだ。それに、きな臭いことを考えているファデュイの元に、君たちを置いていけないからね」
お節介な親切だと思ってぜひ受け取っていてほしい。そう言って少年に微笑むと複雑そうな顔をされた。ごめんよ少年。貫き通すべきことは貫かなければならないんだ。私が私でいるために。
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りー - 理由把握いたしました。先日は失礼なこと言ってしまって申し訳ありません。五月病など無理なさらないでくださいね。 (2021年6月3日 17時) (
レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
りる - とりまろ。様はもう小説は書かれないんですか…？ (2021年5月31日 7時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
り - すみません絵じゃなくて小説です…誤爆しました… (2021年5月26日 18時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
り - イッキ見しました…ひゃえ…大好きです主様の絵好きです更新まってます！！ (2021年5月22日 0時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白くて大好きです！更新頑張って下さい！ (2021年4月25日 14時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とりまろ。 x他1人 | 作成日時：2021年3月31日 20時
