十一話 ページ12
私は璃月に思い入れはない。どのように変わっていこうが、どのように壊れていこうがあまり興味はない。それこそ、別国に行ってしまっても構わないと思うくらいには璃月に無頓着なのだ。
でも、鍾離殿は違うだろう。
璃月は彼の国だ。自分の手で作り上げ、今の今まで見守り続けてきた実の我が子のようなもの。
今の彼は旅立つ雛を見送る親鳥の気持ちなのだろうか。今まで助けてきたからこそ、手を離すのが不安だからこそ、彼は今、こんなことをしているのではないだろうか。
そうでなければ、彼の神の座を降りるということにここまで無駄な手順を踏む必要は無い。
それを感じる度、つくづくモンドの風神殿は凄いのだと思う。
自由の国モンドの神である風神バルバトス殿は自身の国の民を文字通り自由している。手放しともいうが、自分の国の人々を信じて手を離しているのだろう。
自分の我が子を、我が子でなくとも大切なものを手放しで見守るというのは相当忍耐がいる。何より自分で助けることが出来ないと言うのは歯痒い。
─────あぁ、なんというか。
彼が岩神としての責務とその重荷を捨て、自由になることは喜ばしいことなのだが、彼の計画が成功することが本当に良い事なのだろうかと思ってしまう。
これは、おそらく別れの寂しさと同じものだ。失うということは何時だって心に影を齎す。
「どうしたA、眉間にシワがよっているぞ」
「いえ…これが哀愁か、と思っただけです」
私が共に生きて守ってきたのは『鍾離』ではなく『岩神』だ。
この計画が全て上手くいってしまえば、その『岩神』とはお別れ。
それを、ただただ寂しく思った。
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りー - 理由把握いたしました。先日は失礼なこと言ってしまって申し訳ありません。五月病など無理なさらないでくださいね。 (2021年6月3日 17時) (
レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
りる - とりまろ。様はもう小説は書かれないんですか…？ (2021年5月31日 7時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
り - すみません絵じゃなくて小説です…誤爆しました… (2021年5月26日 18時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
り - イッキ見しました…ひゃえ…大好きです主様の絵好きです更新まってます！！ (2021年5月22日 0時) (レス) id: d04a74515a (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白くて大好きです！更新頑張って下さい！ (2021年4月25日 14時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とりまろ。 x他1人 | 作成日時：2021年3月31日 20時
