【歌い手】恋い焦がれる【短編集】 (ページ47)

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夏祭り＊伊東歌詞太郎ページ47

『遅くなってすみません』

歌詞｢全然大丈夫だよ

僕も今来たとこだし｣

今日はかしたろさんと夏祭り

歌詞｢それより、浴衣可愛い｣

『ふふっありがとうございます』

いつもより時間をかけて用意したから

そう言われるとついニヤけてしまう

歌詞｢じゃあ、行こっか｣

手を出されてその手の上に自分の手を置いた

すぐに指に絡められて

人混みの中に入っていく

･

･

『金魚すくいしません？』

屋台を目の前にして私は足を止めた

歌詞｢いいね！やろう！｣

かしたろさんは結構やる気

『じゃあ、たくさん取れた方の欲しいものを奢るってのはどうですか？』

歌詞｢いいよ～よしっ、勝つ！！｣

金魚をすくうポイと入れ物を渡された

『よし！』

･

『とれた！』

歌詞｢あ、穴あいた｣

私は２匹
かしたろさんは０匹

『やったやった』

歌詞｢んー難しい｣

『かしたろさん！私焼きそば食べたいです！』

歌詞｢買うよ～｣

『でも、花火始まっちゃう…

あ！私花火よく見えるとことってます！それでもいいですか？』

歌詞｢あ、そうだね

じゃあ、僕買ってくる｣

私はかしたろさんと別れて花火がよく見えるとこまで移動した

『ここら辺で、いいかな？』

とりあえず連絡しとこ

私はメッセージでかしたろさんに場所を教えた

分かるかな

携帯をしまい、顔を上げた

『え、』

目の前に男の人が3人

｢お姉ちゃんひとり？｣

｢僕達と遊ばない？｣

『ごめんなさい、彼氏がいるので』

｢えー、いいじゃん？！今ひとりでしょ｣

｢てか、こんな可愛い彼女ひとりにする彼氏って｣

手が伸びてくる

『嫌ですっやめてください』

抵抗しようとするけど浴衣のせいでうまく体が動かない

｢ほらほら～大きな声出しちゃダメ｣

男の臭い手が私の口を塞ぐ

『んんーんっ』

声が出ない

助けて

かしたろさん