【歌い手】恋い焦がれる【短編集】 (ページ40)

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七夕＊天月ページ40

｢なに？これ｣

『七夕のお願いごとだよ？』

突然後ろから話しかけられて、振り返る

そこには、天月が立っていた

天月｢いいな、いいな、僕もやる！｣

すぐに食いついてきて

目を輝かせながらそう言ってくる彼はとても可愛らしい

『はい、ここに書いて』

私はペンと紙を渡す

天月｢なに、かこっかなー？

……あ、決めたっふふっ｣

何かを思いついたようで、嬉しそうに微笑む

『なににしたの？』

天月｢後で教えるから！！｣

そう言って自分の部屋へ行ってしまった

『えー、早く教えてねー』

私もそう言いながら、自分の願い事を考えていた

あ、決めた

[天月ともっと遊んだりできますように
ずっと一緒にいられますように A]

自分でかいて、ふふっと笑ってしまった

これを見て天月はどう、思うかな

なんて、考えただけでにやけてしまう

天月｢かけたよー｣

天月は自分の部屋から出てきていた

『私もできたよ！』

天月｢じゃあ、お互い見せあおっか｣

『うん』

自分が持っていた短冊を天月に渡す

天月から、短冊を受け取る

そして、お互い見あった

[Aと一緒にいられますように天月]

見て、どきどきした

『天月、私と同じだ、ね、』

天月｢ふふっ、嬉しい｣

目を細めて可愛らしく笑う

私もつられて笑った

天月｢でもさ、もっと一緒に遊んだりできますようにって、
ごめんね
僕が忙しくて、あまり遊べなくて…｣

『そんな、大丈夫だよ！！天月が忙しいの知ってるから、』

天月｢寂しいなら、言ってよ
Aは、いつも、我慢してるから｣

『大丈夫だよ！！本当に、今日も、もう、行かなきゃ行けないんじゃない？時間…』

不意に、天月に抱きしめられた

『え、』

天月｢これからも、よろしくお願いします
今年はもっと遊ぼうね
今日、晴れてよかったね｣

『うん』

暗い夜空は星が綺麗に輝いていて
雨も降っていない、雲ひとつない、快晴だ

織姫と彦星はきっと、一年ぶりに再開できたのだろう

________願いを込めて。