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助けて*天月 ページ37

『いやっ…やめてっ…』


男は私の服に手をかける。




男「大人しくしろよ」


『やだっ』



必死に抵抗する。



でも、抵抗すればするほど、紐で縛られた腕が擦れて痛い。
ヒリヒリする。



男「静かにしろ」


男は、私の服を思いっ切り裂いた。


ビリビリと、音を立てて破れた服。




露になった、私の身体を舐めまわすように見てくる。



気持ちが悪い。
怖い。



いろいろな感情が出てくるけど、どうしようもできない。




誰か、助けて。





涙で視界が滲む。



これから、どんなことをされるのか、
恐怖で、目をぎゅっと瞑った。




男の手が、私の胸に伸びてきた。



嫌だ。




強く、強く、そう思った。




「Aっ」



私の好きな、その声が、響いた。






『あま、つ、き、』



息を切らしながら、走ってきた天月。




天月「僕の彼女に手出さないでくれますか」



いつになく真剣な表情で、低い声で。



男「なんだよ、てめぇ」



手が上がる。




男は天月を殴ろうとした。




怖くて、目を瞑る。





でも、天月は男の腕を上手くかわした。




素早く、私の手を取る。





天月「逃げよ」




腕に紐が付いてるまま。



服が破けたまま。






私は天月に腕を引かれながら必死に逃げた。





天月「入って」




天月の家まで走ってきて、入る。




ガチャっとドアが閉まり、急に安心して、私はその場に座り込んだ。




涙が溢れて止まらなくなった。




『っ、怖かった…』



泣く私を、優しく抱きしめてくれた。





温かかくて、
優しくて。




私は天月の腕の中で、ずっと涙を流した。










やっと、涙が止まって。




天月「怖かった、Aが僕以外の男に触れられて、


…もっと、早く助けに行かれなくて、ごめん」




そっと口を開いた天月の声は、とても弱々しかった。




私は腕に力を込める。




天月は、赤くなった手首を見て、




天月「怖かったよね」



と言って、優しく唇を落とした。





天月「服、着替えようか」



『あ、うん』




私は破けてしまった服を丁寧に脱いで、新しい服に着替えた。




時々、また、あの男が来るんじゃないかって、体が震えた。




天月「着替えた?」



『…うん』




腕を引かれて、天月の胸にすっぽりはまる。






天月「もう、一人でふらふらと何処かに行かないでね」



『うん、ごめんね』




優しく、唇を塞がれた。

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闇月黒夜(3DSvar.) - 続編待ってます((*´∀`*)) (2016年8月11日 20時) (レス) id: 2b4684f0c1 (このIDを非表示/違反報告)
れれ(プロフ) - かみゃさ@ゆかりさん» 待っていてください! (2016年8月10日 20時) (レス) id: 615ae47c22 (このIDを非表示/違反報告)
かみゃさ@ゆかり(プロフ) - 続編、作って下さるまで信じていつまでも待ってます! (2016年8月10日 17時) (レス) id: 9acb36f18c (このIDを非表示/違反報告)
かみゃさ@ゆかり(プロフ) - れれさん» いえいえ!誤字はどの作者さまにもありますから、! (2016年8月9日 9時) (レス) id: 9acb36f18c (このIDを非表示/違反報告)
れれ(プロフ) - かみゃさ@ゆかりさん» ありがとうございますっ!誤字が多くて困りますね。気をつけます (2016年8月8日 23時) (レス) id: 615ae47c22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れれ | 作成日時:2015年12月24日 15時

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