隣*S!N ページ33
べつに興味なかったのに、何故か貴方に惹かれていっている私がいる。
・
「きゃっ来たよ!!」
「ね、ね、私の髪大丈夫?」
「ちょっと、今日運いい!!」
女子生徒のひそひそ話が聞こえて、振り返った。
髪は少し長めで。
靴はかかとを踏んでいて。
耳にはピアス。
とても、気だるそうに歩いてくる男子生徒。
さっきの女子生徒の反応から、この人は校内でも人気の人なんだなと確信した。
…はぁ?
あの人の何処がいいわけ?
内心そう思った。
でも、口に出すと、その男子生徒にも。
その男子生徒が好きな女子生徒にも悪いと思い、口にはしなかった。
「しんさん、かっこいい」
誰かの一言で、その人の名前は「しん」だと分かる。
し、ん。
二文字なのに、強く印象が残るような、
そんな名前。
しんは、かぱかぱと上履きの音を立てながら、廊下を歩く。
…何年生なのだろうか。
そんな疑問が浮かぶ。
みんな、しんさんと言っていたので、恐らく三年生だろう。
私は二年生だから、一つ上の先輩だ。
「ねえ、君」
考え事をしていて、目の前に人が立っているのに気が付かなかった。
『え、私ですか』
女子の目線が突き刺さる。
だって、あの、しんさ、んが、話し掛けてくるから。
しん「教室入れない」
『え』
よく見てみると、私は自分の教室のドアのとこに立っていた。
『あ、ごめんなさい』
しんさんは普通に教室に入っていく。
え、二年生なの?
しかも、私と同じクラスなの?
頭が混乱した。
・
・
『はぁ』
今日一日で、しんのすごさがとても身にしみた。
しんの席は私の隣で。
それなのに何故私がしんのことを知らなかったのかは、しんが学校をさぼっていたから。
そう考えると、馬鹿なのかななんて、少し考えてた。
でも、授業で寝ていて当てられても、スラスラと答えを黒板に書き出していた。
まるで、答えを暗記しているみたいに。
不意に、しんの方を見ると、窓の外を眺めているか、寝ているかだった。
その横顔がとても綺麗で見とれてしまうほど。
授業が終わって、しんはむくむくと起き上がった。
そして、私に一言。
しん「なに、見てたの?」
その声も、ひどく落ち着いていて、
ぎゅーっと、胸が締め付けられた。
こんな気持ちになるのは、どうしてだろうか。
______。
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闇月黒夜(3DSvar.) - 続編待ってます((*´∀`*)) (2016年8月11日 20時) (レス) id: 2b4684f0c1 (このIDを非表示/違反報告)
れれ(プロフ) - かみゃさ@ゆかりさん» 待っていてください! (2016年8月10日 20時) (レス) id: 615ae47c22 (このIDを非表示/違反報告)
かみゃさ@ゆかり(プロフ) - 続編、作って下さるまで信じていつまでも待ってます! (2016年8月10日 17時) (レス) id: 9acb36f18c (このIDを非表示/違反報告)
かみゃさ@ゆかり(プロフ) - れれさん» いえいえ!誤字はどの作者さまにもありますから、! (2016年8月9日 9時) (レス) id: 9acb36f18c (このIDを非表示/違反報告)
れれ(プロフ) - かみゃさ@ゆかりさん» ありがとうございますっ!誤字が多くて困りますね。気をつけます (2016年8月8日 23時) (レス) id: 615ae47c22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れれ | 作成日時:2015年12月24日 15時