【歌い手】恋い焦がれる【短編集】 (ページ32)

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終了後＊Sou ページ32

『お疲れ様でした～』

そう｢お疲れ様～おやすみなさい｣

ポチ

そうくんとの生放送が終わった。
歌い手になって知りあった。

今日は私の家のパソコンが調子悪くて、急遽そうくんの家でやることになった。

そう｢んんーー｣

腕を伸ばして伸びをするそうくん。

『疲れた～
そろそろ帰ろうかな…』

そう｢え、もう帰っちゃうの？？
ねえ、なんか喉乾かない？水持ってくるか
ら、帰るのは水飲んでからにしようよー｣

だめ？って顔を覗きこまれて。
そんな顔されたら断れないし。

『じゃあ、水貰おうかな？』

え？ほんと？
とそうくんは言って、水を持ちにキッチンへ向かった。

窓からは月光が差していて。
今日は満月だと気づく。

私は月が見える位置まで移動して、月を眺めた。

黄色く、大きく、輝いている。
まるで、一緒にいると元気が出るそうくんみたいに。

そう｢おまたせ｣

その声でそうくんは帰ってきたのだとわかった。

『月が、綺麗だよ』

私はずっと月を見ていた。
だから、その時のそうくんの表情も見えなかった。

そう｢ねえ、｣

『ひゃっ……』

耳元で急にそう囁かれて、私は肩がビクッと反応した。

すうっと首筋に何かがあたった。

『……やっ………』

そう｢ふふっ、感じやすいんだね｣

ぐいっと腕を引っ張られ、私はよろけながらそうくんのベットに乗っけられた。

『そうくん？』

恐る恐る声を出してみると、

そう｢今日は帰らないでよ｣

小さな声が聞こえた。

『えっと…』

そう｢ねえ、Aは僕のこと好き？｣

そう問われ、

『え、あ、』

答えに困った。

『え、っと、好きって言われても…あ、だから、嫌
いってわけじゃないんだけど…あーーもう！』

そう｢ふふかーわいい｣

そう言って、顔が近づいてくる。

私は抵抗も何もせずにそのままそうくんの唇と触れた。

『…んん』

長い間触れ合っていた唇が離れ、そうくんは可愛らしく笑った。
私もその笑顔につれられて、頬が緩む。

『ん…』

でもまた唇が塞がれて、次は熱い何かが私の中に入ってきた。

それは私の唇の中でまるで生き物のように動いた。

嫌じゃないけど、とっても恥ずかしい。

そう｢今日は、泊まっていってよね｣