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鈍感な君*kain ページ14

『…あのさ、』


そこまで言って次が出てこない。


いつもそう。

かいんくんと二人になった今しかないのに。


『……』




好き…


心の中では叫ぶくらい言えるのに、いざ言葉にしようとすると、


出てこない。





かいん「なに?」


かいんくんは綺麗なその顔を私に向けて、顔を傾げた。


『やっぱ、なんでもないや』


今日も言葉にできなくて、諦めた。

これで何回目だろう。



かいん「なんだそれ」

そう言ってかいんくんは笑った。




どうして、どうして言葉にできないんだろう。






ううん。きっと違う。

勇気がないだけだ。



今の関係が崩れてしまうことに、恐れているんだ。

だから、言葉にできないなんて、できない理由を勝手につけて。




鈍感な君だから、ちゃんと言葉にしなきゃ伝わらないのに。

私にはその勇気がないんです。





かいん「あのさ、」


少しの沈黙を破ったのは、かいんくんだった。

『どうしたの?』

いつもより少し様子が違う…気がする。


かいん「僕ね、好きな人がいるんだ」


『え?』


かいん「一目惚れだった。


  その人はね、笑顔がかわいくて、優しくて、」




…もうやめてよ。

私、かいんくんが好きなんだよ。




かいん「僕には、勿体ないくらいの相手でね」


酷く優しくかいんくんは自分の好きな人について語っている。


聞きたくないよ。胸が、痛いよ。


ねえ、かいんくん。私、かいんくんが、

好き、なのに。


一目惚れされるほどかわいくないし、優しくない。

涙が、一粒頬を伝った。



かいん『でもね、今日やっと告白する勇気が出た』

今日、告白するんだ。


もう、完全に失恋だね。



そんなにすぐには諦めきれないと思うけど。

_______好きでした。



かいん『僕、Aが好き。一目惚れだったんだ』

『嘘でしょ?』



かいん「嘘じゃないよ。Aは?」



『わ、わたしも、』


今しかない。ちゃんと、伝えよう。







『かいんくんが、……好き』


伝えられた。


また涙が頬を伝った。






かいん「大事にします」

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闇月黒夜(3DSvar.) - 続編待ってます((*´∀`*)) (2016年8月11日 20時) (レス) id: 2b4684f0c1 (このIDを非表示/違反報告)
れれ(プロフ) - かみゃさ@ゆかりさん» 待っていてください! (2016年8月10日 20時) (レス) id: 615ae47c22 (このIDを非表示/違反報告)
かみゃさ@ゆかり(プロフ) - 続編、作って下さるまで信じていつまでも待ってます! (2016年8月10日 17時) (レス) id: 9acb36f18c (このIDを非表示/違反報告)
かみゃさ@ゆかり(プロフ) - れれさん» いえいえ!誤字はどの作者さまにもありますから、! (2016年8月9日 9時) (レス) id: 9acb36f18c (このIDを非表示/違反報告)
れれ(プロフ) - かみゃさ@ゆかりさん» ありがとうございますっ!誤字が多くて困りますね。気をつけます (2016年8月8日 23時) (レス) id: 615ae47c22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れれ | 作成日時:2015年12月24日 15時

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