【ツイステ】揺らめくハート【ハーツラビュル寮】 (ページ1)

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どんな気持ち？ページ1

「困ったなぁ…」

やわらかくぬるい夜風を感じながら、私は思わずため息をついた。
見上げる先には、さっきまで住んでいた愛着のあるオンボロ寮。
やっとの思いで住まわせてもらっていたこのオンボロ寮を、追い出されたのは深夜0時。
ジェイドとフロイドは、ニヤニヤしながら私たちを締め出した。
この寮は、オクタヴィネル寮のアズールに担保になってしまったのだ。

「…やっぱり早まったかな？」

頭にイソギンチャクを生やしたグリムは、「野宿はイヤなんだぞ～…」としょんぼりしている。
こころなしか、生えてるイソギンチャクもしょんぼりしているように見える。

誰のせいでこうなったんだか。

言い始めても仕方がないことなので、思い浮かんだ言葉はため息で打ち消した。
とにかく、屋根のあるところを探してみよう。

「おーい！A！」

えっ、と思い後ろを振り返ると、グリムと同じようにイソギンチャクを生やしたエースとデュースがこちらに駆けてくる。ジャックも一緒だ。

「みんな！どうして…」

ははっと明るく笑うエースの声が弾んでる。
急いで来てくれたんだろう。

「さすがにAを野宿させられねーよ。
寮長には話してきた。1年の4人部屋なら使ってもいいってさ！」

「えっ！ほんとに？」

屋根がある！
野宿にならずに済みそうで、思わず私の声も明るくなる。

ジャックは「4人部屋に1人と1匹が増えるんだろ？大丈夫か？」と気にかけてサバナクロー寮にきてもいいって言ってくれたけど、もうリドル寮長にも話がついてると言われた手前、ハーツラビュル寮に行くことに決めた。

「ジャック、ありがとう。
また明日から、一緒に頑張ろうね」

「…おぅ。」

ジャックはぶっきらぼうに返事をするけど、その中にある優しさに私は気づいている。

みんなが心配してくれて、すごく嬉しい。

心がほんのり温かくなって、ふふっと笑ってしまう。
それに気づいたのか、エースが私の方を覗きこんでそっと尋ねた。

「…ところでA、俺とデュース、どっちのベットにするか決めた？」

え？

冷静になってきた私は
なんだかすごく、不安になってきた。

生ぬるい風にのって、ゴーストたちの笑い声が聞こえた気がした。