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背中に8 ページ10

「あざーした!」

バレー部の人達が挨拶をして部活が終わった


「よし、帰るか」

「うん。…結構暗いね」

「確かに。長いこと見てたもんね」

「…楽しかった…。」

「…よかった。」

私と紗彩ちゃんは顔を見合わせて笑った

体育館を出る時に小さい声で失礼しましたとお辞儀をして出た

紗彩ちゃんも同じように礼をした


「…あ、…」

「どうしたの?」

「…筆箱忘れてきちゃったみたい…
取りに行くから先帰ってて!!」

「おっけー。
また明日」

「…うん。また明日」

生まれて初めて友達ができた

また明日なんて…そんなことを言う日が来るなんて思ってもなかった

すごく心があったかくなる


もう下校時刻が迫っているから、教室の電気も廊下の電気も切られていて暗くて、少しだけ怖い

早く帰ろう…


急いで教室に行って筆箱を持って校舎を出た

校舎を出ると電気がところどころについているからそんなに怖くない。

どっちにしろ、もう夜なんだから早めに帰ろう。




「…ぁ…」

「…?あ…お前…」

岩泉…一さん。

「確か…この間、受験票飛ばしてた奴だよな」

「ぇ…は、はい。…そうです…。
あ、あの時は、ありがとう、ございました…」

「いや、いいよ。
困ってる奴がいたら助けるのは当然だしな。」

岩泉さんはちょっと笑った

途端に心臓の鼓動が早くなる

頬が少し赤くなる。

暗くて良かったと思う。

「いーわーちゃんっ!わざわざ待ってくれてたんだね!及川さん嬉しい!」

「うるせえ!近づくな!気持ち悪ぃ…」

「ひどい!及川さん傷ついた…って…女の子と話してたの…??」

及川さん…だっけ…?

確かに顔はすごく整っていた

「ああ。そうだけど」

「ええええ!岩ちゃんが女の子と話すなんて…!」

とりあえずここに居たくない

ドキドキしすぎておかしくなりそう

「あ、あの、…私は…これで。」

「え、ああ。悪いな。引き止めて。」

「え?もう行っちゃうの?」

「ぇ…??」

「困らせてんじゃねぇよ!クソ川!」

「クソって何!?

…もー、俺、及川徹。」

「あ、俺は岩泉一だ。」

お前は?というように顔を見られた

「え、…あ、…木村、木村Aです」

「おっけーAちゃんね!」

名前呼び…!?

中学と違うのかな…?

高校はみんなのことを名前呼びするのかな?!

「おい、困ってるだろ」

「…あ、いえ、…その、…よ、よろしくお願いします。
岩泉先輩、及川先輩」

2人は笑っておう、と言ってくれた

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作者名:ふふ | 作成日時:2018年6月22日 22時

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