先輩の背中に【岩泉一】 (ページ25)

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「そう言えば、木村さんって岩泉と仲いいんだね」

「…え」

先輩は笑ってこっちを見ていた

「なんで知ってるのー！？って顔してるね。
多分クラス…あー嘘だ。
二年生のあいだじゃ結構有名な話なの｣

それにもまた驚いた

私と岩泉先輩が、仲がいいことが…有名…？？

というか仲良くはない

仲いいなんてそんなのおこがましすぎる…

「私、岩泉とあと…及川とかとも同じクラスでね
Aちゃん…とか、木村…とかって喋ってるのが聞こえてくるから」

「え…？」

クラスで岩泉先輩は私のことを話してるってこと…？

嬉しい…

「ふふっ、木村さん、岩泉のことが好きなんだ」

「え……はい…」

答えるかどうか迷ったけど先輩の目が嘘をつくことを許さなかった

「そっかそっか。
岩泉ってさ、全然女子と話さないの。」

「そうなんです…か？」

「そうなの
…だから…岩泉の口から出てきた木村って最初は男の子だと思った
そしたら及川が、ああ、Aちゃんねって言ってたからびっくり
多分今の2年生はみんな知ってるんじゃない？
岩泉と仲のいい木村Aちゃんって子が1年生にいるって」

「…えぇ…」

私は多分困った顔をしている

「そんな顔しないの
せっかく可愛い顔してるんだし、好きな人に嫌われてる訳では無い…どころか好かれてるんだからもうちょっと嬉しそうな顔しなさい」

「は、…はい。」

…でも、多分

岩泉先輩は私のこと恋愛的に好きなわけじゃないよね。

多分妹とか、そういう風に見てると思う