お前の横顔に【岩泉一】

横顔に5 ページ7

今日の部活は暑い

いつもの3倍くらい

理由は分かっていた


「及川くーん！」

「及川さーん！」

「及川せんぱーい！！」


及川に群がる女子のせい

いつもの、2倍くらいいる女子

キャーキャーと耳が痛くなるほどの歓声


こればかりは及川も流石に迷惑そうな顔をしていた


「みんなちょっと静かにしてねー！」


と、及川本人が言えばほんの少しだけ静かになるがそれでもうるさいのは変わりない

俺はその中であの、説明会の時に会った女子を探す

でも、いない。


この中には来てないのか

安心を感じはするがそれと同時に少し残念にも思う


及川には興味がないのか


でも練習は見に来て欲しかったな



俺ってこんな女々しくなるんだな、と、自分で少し苦笑する



「ミニゲームやるぞー！」

3年生の主将の先輩が声を張り上げる


「おーす！」


俺たちも負けじと声を上げる


青葉城西は選手層が厚い

そのためベンチに入れるのは3年生でも無理だったりする


「岩泉ー、頑張れよ」

「おっす」


だから、2年でも出られる俺は本当についてると思う

もちろん努力もしたけど俺だけの実力じゃない


運もあったと思う



3年生に申し訳なく思う気持ちが無い訳では無いけれどそれ以上に出れることの嬉しさの方が100倍くらいある



「いーわちゃーん！」

「あ？」

及川に話しかけられる

「女の子が沢山いるからって張り切ったりしないでね！
誰も岩ちゃんのことなんか見てないんだから！」


とりあえず一発殴った

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