お前の横顔に【岩泉一】

横顔に11 ページ13

「あ、そうだ」

「？？」


俺ははゴソゴソとカバンを漁って、スマホを出した

連絡先、交換したい

このまま帰ってまた話せないのは…なんな嫌だからな


「ほら、スマホ出せ」

「え…あ、はい」

「LINE開いて…ちょっとかせ」


木村は多分スマホとか無駄に触らないんだろうな

ちょっと申し訳なく思ったのはLINEの友達の数

…15人か…少ないな…ごめん木村


「ん」

画面には岩泉の文字

それを木村は見て、目を見開いた

「え、い、いいんですか？」

「え、ああ。
俺が入れたんだからいいだろ。
逆にお前が嫌じゃないのか」


聞けば木村はぶんぶんと首を横に振った


「よかった」


ついつい呟いた一言

よかったって…どういうことだよ俺

絶対変な考え持たせただろ


「いつでも連絡していいから」

よかった、と言ったことを誤魔化すようにそう伝えた

「…ありがとう、ございます。」

木村は、柔らかく笑った


…いつでも連絡していいからって

少し上から目線だったか？

言ってしまったことはもうしょうがない

時間が戻る訳でもないし、木村の脳をいじって忘れさせることも出来ない


木村が俺のこと、嫌っていなければいいな

あわよくば、好きになってくれればいい


相変わらず木村のことになると俺は女々しい

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