14話「行方知らず」 ページ15
「三角くん....？！」
目の前の後ろ姿に見覚えがあった。
あれは確かに斑鳩三角に見える。でも、心なしか少し小さい気がする。
慌てて駆け寄ると、その人物はこちらを振り向いて、驚いたような困惑したような声をあげる。
「はい？あの...誰ですか」
よく見ると、その人物は斑鳩三角ではなかった。
しかし、水色の髪や夕陽のような綺麗な瞳、垂れ目など顔立ちはとても似ている。
だが、その人物は三角よりも幼く(おそらく中学生くらい？)見え、どこかトゲトゲしいものを感じる。
(もしかして弟さんとかかな...)
そう思ったが、深追いはやめることにした。
相手は中学生かそこらの年齢だ。見ず知らずの女子高生に話しかけられてあまりいい思いはしないだろう。
「あ、ごめんなさい...。人違いみたいです。失礼しました」
その一言で、この場を切り上げようとした。
しかし、その少年は一瞬黙ったままだったが、やがてこちらをじっと不思議そうな顔で見て口を開いた。
「もしかして...兄の知り合いですか」
「え？」
兄、ということはやはりこの子は三角の弟で合っていたのか。
心の中で納得したように頷き、答える。
「えっと...斑鳩三角くんのクラスメイトです。...お兄さんは今はどこにいるか分かる？」
「！」
その言葉を聞いてその少年ーー三角の弟は驚いたような、そして心なしか少し悲しそうな顔をしたのが分かった。
だが、今の言葉で驚いたのは彼だけではなかった。
(今、なんで私三角くんの居場所を知ろうとしたの...？特に用事はないはずなのに...)
無意識に口から出てしまっていた本音なのだろうか。
だとしたらかなり恥ずかしい。
内心そう思いながら、その少年は特に不思議がることもなく、端的にはっきり答える。
「分かりません」
あまりにもシンプルで、簡潔なその言葉に、一瞬意味を見失う。
(え、分からないってどういう...)
詳しく聞こうとしたその時、追い討ちをかけるように言葉が覆いかぶさる。
「兄は暫く帰っていないので...。今どこにいるか分からないんです」
「そんな...」
衝撃的な言葉だったのと同時に、心のどこかでそんな気がしていた自分がいる。
(とりあえず公園に行ってみよう)
「教えてくれてありがとう。もし三角くんを見つけたら連絡するね！」
そう言ってその場を離れる。
残された少年はぽつりと一言こぼす。
「...無駄だよ」
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ゆら(プロフ) - こちらこそよろしくお願いします！ (2020年4月24日 13時) (
レス) id: fbd4e87e2e (このIDを非表示/違反報告)
Rio(プロフ) - ゆらさん» 良かったです！お手数おかけしてすみませんm(__)mこれから宜しくお願いします〜！ (2020年4月23日 0時) (レス) id: bb9ecc78f8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 来ました！フレンド登録させていただきました！ありがとうございます!!! (2020年4月23日 0時) (レス) id: fbd4e87e2e (このIDを非表示/違反報告)
Rio(プロフ) - フレンドIDそちらにお送りしました...！通知が来ておりませんでしょうか？ (2020年4月21日 11時) (レス) id: bb9ecc78f8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - わからなくて…… (2020年4月21日 11時) (レス) id: fbd4e87e2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rio | 作成日時：2018年3月30日 11時
