12話「進路」 ページ13
夏に差し掛かろうかというぐらい気温が上がったある梅雨の日のこと。
珍しく雨は降っておらず、外は快晴というには雲が多すぎるように感じるが、ほどよい天気であった。
教室の様子はというと、担任の南野はクラス全員にある紙を配っていた。
『進路希望調査』
(もうそんな時期か...)
高校3年生の1学期はあと1ヶ月ほどで終わる。
この時期に配られるのは自然なことだった。
配り終えたのを見計らって、南野が手に持っていた紙を読み上げる。
「今皆さんにお配りしたのは、進路希望調査用紙になります。今の時点での希望で構いませんので、進学を考えてる人は第3希望まで、その他の進路を考えてる人はその旨を記入して、7月の面談までに提出を...」
説明が続けられる中、得体の知れない不安と焦りが心に渦巻いていた。
(多分、大学進学になるだろうけど...。そもそも行きたい大学とか全然決めてないなぁ...)
家族や友達と進路について語ることは無いことはないが、漠然とした内容でしかないことが多かった。
(...ちゃんと相談しよう)
そろそろ真面目に考えないといけない時期だ。
帰ってから親に相談しようと決意する。
と、その時。
"例の彼"の席である隣に置かれた一枚の紙を見やる。
(そういえば、どうするんだろう)
結局あの日以来、パタっと来なくなってしまった。
そんな例の彼ーーー斑鳩三角は、たしか夏休みまではいるつもりと言っていた。
じゃあ、それからはどうするのだろう。
何かアテがあるのか？それとも....
そこでベルがなり、朝のHRは終わった。
ーーーーーーーーーーーー
「進路、もう大体決めてる？」
休み時間、前の席の女生徒に振り返られる。
席が近いから話すことは多いが、自分から話しかけたことはほぼない気がする。
「うん...まあ、大学進学かな」
曖昧な回答をしていると、その女生徒はなるほど、という顔をする。
「Aちゃん、頭いいしO大とか行けるんじゃない？あそこ賢いよね！」
「いやいや、そんなことないよ。
ーーもう、決まってるの？」
今度は自分が聞いてみると、その子はうんと頷く。
「私、昔から看護師になりたくて、高校卒業後は専門学校に行こうと思ってる！」
「そうなんだ...。すごいな...」
キラキラした笑顔でそう答える彼女が、本当に輝いて見えた。
(私はどうしたいの...？)
自分に尋ねても、答えは返ってこなかった。
13話「白紙のこころ」→←11話「50分だけのヒーロー_２」
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ゆら(プロフ) - こちらこそよろしくお願いします！ (2020年4月24日 13時) (
レス) id: fbd4e87e2e (このIDを非表示/違反報告)
Rio(プロフ) - ゆらさん» 良かったです！お手数おかけしてすみませんm(__)mこれから宜しくお願いします〜！ (2020年4月23日 0時) (レス) id: bb9ecc78f8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - 来ました！フレンド登録させていただきました！ありがとうございます!!! (2020年4月23日 0時) (レス) id: fbd4e87e2e (このIDを非表示/違反報告)
Rio(プロフ) - フレンドIDそちらにお送りしました...！通知が来ておりませんでしょうか？ (2020年4月21日 11時) (レス) id: bb9ecc78f8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - わからなくて…… (2020年4月21日 11時) (レス) id: fbd4e87e2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Rio | 作成日時：2018年3月30日 11時
