9.畳の上は危険だらけ ページ9
大きな音を立てて堂上教官が床に転がる。
飛び起きた郁が教官に背後からドロップキックをかましたのだ。
｢拝ませて差し上げましたが、何か？｣
……郁、あんたは何してんのさ。
教官に飛び蹴りなんて聞いたことないわ。
しかしそれに対する堂上教官も大人気ない。
｢そうかそういうのがアリか。｣
低く呟くと郁の足を刈り、
｢ギャーーーーーーッ！！｣
郁の喉からとんでもない声が飛び出す。
最強の関節技と名高い腕ひしぎですねあれ。
仮にも女の子にしかけるとは…。
畳の上でやりあう２人をみんなと一緒に見て笑っていたら、横から声をかけられた。
｢なにしてんの、芹沢さん。｣
｢小牧教官！｣
そこには別の班のはずの小牧教官。
｢俺の班この時間は訓練ないの。堂上の班が柔道やるっていうから見にきたら、やっぱりおもしろいね…。くくっ…。｣
喋りながら笑い出した。
｢ですよね、教官にドロップキックなんて、何やってんだか。｣
｢おっと、そう言う芹沢さんは？俺が見た限り誰とも組んでないでしょ。｣
げっ、バレてた。
｢…はい、苦手なんですよね格闘技とか。ちっちゃいし投げられて痛いし。
せめて武器使えたらいいんですけど。｣
｢とりあえずやろ？他のみんなはもう一通り組んでるから、芹沢さんは俺と。｣
｢えっ！？｣
まじか、小牧教官と組むのか。
あとで色んな女子にいじられるわ。
｢すぐ終わると思いますよ。｣
お願いします、と頭を下げて小牧教官と組む。
やっぱりな、全然教官は動かない。
そのままあっさりと投げられてしまった。
ただ、最後は力を緩めてくれたようで、前に郁とやったときより痛くなかった。
｢どこかケガとかない？｣
起き上がった私に教官が声をかけてくれる。
優しいわあ。
｢はい、大丈夫です。｣
｢そういえばさ、さっき武器使えたらなって言ってたよね。ここにゴム製のナイフあるけど、やってみる？｣
まさかの言葉を教官が発する。
いやでもそれって柔道じゃないし。
畳の上でやってもいいものなのかしら。
まあ、できるんだったら、
｢お願いします｣
｢じゃあ誰か、芹沢さんとやってくれる人ー。
俺は興味あるから見させてもらうよ。｣
気がつけばみんなこちらを見ていたようだ。
小牧教官の問いかけにぱらぱらと手が上がる。
これが郁との違いか。
一番前に座っていた子と組むことになった。
｢お願いします｣
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陽子(プロフ) - 早めの更新待ってます！ (2017年7月16日 21時) (
レス) id: 6132688738 (このIDを非表示/違反報告)
みっち - とっても面白いです！続き期待してます！！ (2017年6月23日 2時) (レス) id: 345456b6a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：陽芽=ひめ | 作成日時：2017年4月8日 18時
